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早大演劇博物館で「推し活!展」 「集める」「共有する」「捧げる」「支える」テーマに

展示を企画した早稲田大学演劇博物館 赤井紀美助教、佐久間慧さん

展示を企画した早稲田大学演劇博物館 赤井紀美助教、佐久間慧さん

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 早稲田大学演劇博物館(新宿区西早稲田1)が現在、「推し活!展―エンパクコレクションからみる推し文化」を開いている。

「推し活!展」「推し活の現在(いま)」

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 近年、幅広い世代で話題に上る「推し」をキーワードに、同館コレクションを中心に近世から現代に至るまでの演劇の受け手の側の視点から「集める」「共有する」「捧(ささ)げる」「支える」のテーマで3期に分けて展示を行う。

 同展を企画した赤井紀美助教は「これまでは作り手側、役者側の視点で展示を行ってきていた。『推し』という言葉が若年層だけでなく広く普及したことや、観客側、受け手側の研究が進んでいないという点で、ファンの営みに視点を当てたいと考えた。資料をただ並べるだけでは伝わりにくいため、現代の推し活と共通点がある4つのテーマに分類した」と話す。

 「集める」は、浮世絵からブロマイドまで、ファンが収集した推しに関する資料を展示。集めた写真や記事で作ったオリジナルアルバムやスクラップブックなど、さまざまなかたちで個人の手により残された品を展示する。

 「共有する」は、江戸時代の歌舞伎役者を支えた「贔屓(ひいき)連」や宝塚歌劇など現在のファンクラブなど集団で推しを支える組織、ファン同士のネットワークの存在により作られた限定グッズ、書籍、機関誌などを展示する。

 「捧(ささ)げる」では、森繁久彌に送られたファン手作りの「屋根の上のバイオリン弾き」の主人公テヴィエの人形の数々、女優 森律子の等身大人形のほか、杉村春子へのファンレターなど、ファンから推しへ送られた品を展示する。

 「支える」では、演者を経済的に支えた「贔屓」やパトロンが実際に行った支援に関する資料を展示。シェイクスピアを支えたパトロンや江戸時代の歌舞伎の「贔屓連」などに関連する品々を紹介するほか、同館設立のために行われた寄付活動に関する資料なども展示する。

 赤井助教は「人はなぜ集めるのか、人はなぜ人型を作るのか非常に興味深い。当館そのものも逍遙の演劇への推し活の成果そのものであり、現在、私たちも演劇や映像という文化を推していると言える」とも。

 その他、別室で「推し活の現在(いま)」として、ウェブサイトで募ったアンケートで集められた「推し活」に関する声を掲示するほか、付箋を用意し、来場者がメッセージを書いて展示室に貼っていくコーナーを設ける。

 赤井助教は「学術的には、アンケートなども生かして今後、観客に視点を当てた研究を進めたい。今回、推し活をテーマにしたことで演劇博物館に興味がなかった若い人たちからもアンケートの回答が寄せられている。この展示をきっかけに演劇博物館自体に興味を持っていただければ」と期待を込める。

 開館時間は10時~17時(火曜・金曜は19時まで)。入館無料。8月6日まで。1期は6月6日まで、2期は6月8日~7月4日、3期は7月6日から。

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