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下落合のアダチ版画が「アダチUKIYOE大賞」作品募集 21世紀の浮世絵師発掘

アダチ伝統木版画技術保存財団 杉本奈緒さん

アダチ伝統木版画技術保存財団 杉本奈緒さん

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 アダチ伝統木版画技術保存財団(新宿区新宿区下落合3、TEL 03-3951-1267)が現在、「アダチUKIYOE大賞」への作品募集を行っている。

「アダチUKIYOE大賞」過去の受賞者の版下絵による浮世絵

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 同財団は、江戸時代の浮世絵制作技術を伝える版元「アダチ版画研究所」が1994年(平成6)年、「伝統木版画の制作技術に関する研究などの奨励と保存」「技術者の擁護育成」「普及」「日本の美術文化の発展」を目的に設立した。

 「アダチUKIYOE大賞」は2009(平成21)年から、版画の版下絵を描く「絵師」を募集する目的で行ってきた。今年で15回目となる。

 企画担当者の杉本奈緒さんは「浮世絵の『技術の保存』のためには後継者育成と併せて、今この技術が必要とされていることが欠かせない。江戸時代の浮世絵の復刻と同時に、現代の絵柄を生み出すことで需要を作り出していこうという試み。浮世絵は、絵師・彫師・摺(すり)師の3者と、それをプロデュースする版元による総合芸術。私どもには絵師がいない。広く絵師となる人材を募りたい」と話す。

 同財団ではこれまでも、草間彌生さん、李禹煥(リ・ウファン)さんなど、世界のトップアーティストとのコラボレーション作品を創作している。さらに絵師の募集により描き手の裾野(すその)を広げ、さまざまなジャンルのアーティストとのコラボ作品を通じて、21世紀の世相を映し出す画題の浮世絵創作を目指すという。

 杉本さんは「応募者にとって一番の魅力は、自分が描いた作品が現代の彫師・摺師の手で木版画として残ること。今年からはオンラインでの応募もできる。江戸時代の浮世絵の画題は、当時の流行や世相、大衆の興味を鋭敏に反映している。画題は絵師が担う部分が大きい。さまざまなジャンルからの応募を期待したい」と話す。

 大賞受賞者、優秀賞受賞者には、作品を基に作成した木版画を進呈するほか、賞金として、大賞=30万円、優秀賞=15万円、佳作=5万円を贈呈する。

 締め切りは12月25日。

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