高田馬場の芸能プロダクション、放映新社（新宿区高田馬場1）が現在、タレントや俳優を目指さない人を対象にした演劇スクール「シアターパーク」の第1期生を募集している。

「シアターパーク」体験レッスンの様子1

　同社は、1990（平成2）年12月創業の芸能プロダクションで、アニメ「ラブライブ！」の星空凛役を務める飯田里穂さん、ミュージカル「刀剣乱舞」の今剣役を務める大平峻也さんなどが所属する。「シアターパーク」は、俳優・声優の養成所を併設し演劇人の発掘や育成を行ってきた同社が取り組む新規事業。

　企画・プロデュースを担う小林百合子社長は「俳優を目指さない人を対象とすることは、芸能プロダクションとしてある意味で矛盾している。当社は創立35年目の老舗で、私自身もタレントを目指す人を何万人も見てきた。その中で人としてのゴールはタレントになることだけではないと感じていた。演劇に触れることで違うゴールを見つけることもできる。演劇にはそういう力がある」と話す。

　同社所属の俳優でレッスン講師も務める伊藤白馬さんは「不登校だった男の子が台本の漢字が読みたいと学校に通うようになった、出会った時には一言も話さなかった女の子が活発に話しかけてくるようになったなど、演劇の力で人が変わっていく実体験が、このプロジェクトの原点の一つ」と振り返る。

　講師は、伊藤さんのほか、クラーク記念国際高校（高田馬場1）教諭で同校パフォーマンスコースなどでラップと即興芝居の指導を行うほか、自身もラッパーとして活動する秋山耕太郎さん、臨床心理士・公認心理師で即興劇団リトルアス・プレイバックシアターを主宰する久保田智之さん、放映新社所属の俳優・脚本家で劇団ヨロタミで脚本・演出を担当する坂本直季さん。

　参加者20人を4グループに分け、坂本さんが書き下ろす脚本の上演まで同社内スタジオで行う3カ月間12回のコース。

　伊藤さんは「初日に台本を手にしてお客さまの前で演じるまで、15分間の作品を面白くするという一つのプロジェクトに5人で取り組んでいく3カ月になる。その作業の中にいろいろな要素がある。自分の考えを伝える、他者の考えを理解する、今ある問題を解決する、新たなシーンを創造し、それを演じる集中力や表現力を養う。演劇で使う体と心の動きは、体感したその人にしかない財産となる。シアターパークでの体験は、コミュニケーションを必要とするさまざまな場面で力を発揮する糧となる」と話す。

　小林さんは「私自身、いわゆる普通のOLから、ちょっとやってみたいという気持ちでこの世界に飛び込んだ。一歩踏み出せば違う自分に出会える。『ちょっとやってみたい』ことができる場を用意したので飛び込んでみてほしい」と呼びかける。

　期間は2月25日～5月26日。対象は中学生～35歳まで。参加費は月1万5,000円。応募締め切りは2月11日。