早稲田小劇場どらま館(新宿区戸塚町1)が2月28日から、関西を拠点に活動した劇団「維新派」の大規模野外公演のアーカイブ上映会を行う。
維新派「透視図」(2014)photo:Yoshikazu-Inoue
早大演劇博物館が運営する「Japan Digital Theatre Archives(JDTA)」に収蔵された舞台作品を同館で上映する「JDTA学内上映会」企画の第3弾。演劇が持つポテンシャルを、演劇作品に日頃触れる機会のない学生に届けることを目的としている。
「維新派」は、演出家・美術家の松本雄吉さんらが1970(昭和45)年に旗揚げ。関西を拠点に大規模な野外公演を続け、松本さんの他界の翌年2017(平成29)年に解散した。役者やスタッフが自分たちの手で劇場を建設し、終演後は解体するという手法で野外公演を行い、「scrap & build」の劇団として知られた。
同館の吉田恭大さんは「野外劇は制約も多いが、制約があるからこそ新しい発想で作品が作られる。以前から劇場外での公演を取り上げたいと考えていた。先月スタートした都立戸山公園の野外演劇祭などもきっかけとなり企画した。大規模な作品上演で知られた『維新派』の公演で、劇場とは違う楽しみを味わってもらえれば」と呼びかける。
2014(平成26)年上演の「透視図」、2016(平成28)年上演の「アマハラ」の2作品を上映する。入場無料、事前予約制。3月2日まで。