ベンチャー企業「Pestalozzi Technology（ペスタロッチテクノロジー）」（新宿区西早稲田1）が7月6日、移転した新事務所で創立5周年を記念するイベントを開催した。

Pestalozzi Technology 井上友綱社長

　「運動データを価値あるものに」というビジョンを掲げ、2019年7月1日に井上友綱さんが創業した同社。社名はスイスの教育実践家ペスタロッチの「教育の格差をなくす」という精神にちなんで命名した。現在は、小中学校・高等学校向けに体力テストの入力・集計・結果分析などをデジタル化するウェブサービス「ALPHA（アルファ）」の開発・販売に注力している。手書きで記録されてきた体力テストをデジタル化することで、教員の業務負担削減やテストの即時フィードバックなどにつなげたという。同社によると、2020年から展開する同サービスは、7月5日時点で国内4254校が導入。155万5242人の児童・生徒が利用している。

　当日は、参加者を対象にALPHAを使った握力、長座体前屈の体力テストを実施、各事業部担当者からの事業説明、井上さんからの5年間の振り返りや中長期計画の発表のほかに、謎解きゲームや小パーティーなどで参加者交流も図った。

　井上さんは「VISION2034」として、「2034年に運動データの保有数で世界一となることが目標」と発表、運動データを将来の疾病リスクや運動機能障害の予測、メンタルヘルスの不調の予測などに活用することを視野に「運動データを、さらに価値あるものにできると考えている。今後は学校に限らず、広い世代の人また海外の人にもこの価値を届けたい。皆さまはペスタロッチ号の乗組員、目的地はまだ遠く、船もまだまだ未完成。この船を目的に近づけていくために全員で前進していきたい」と協力を呼びかけた。