「早稲田大学演劇博物館」(東京都新宿区西早稲田1、TEL 03-5286-1829)が10月1日、「エンパクシネマ2019」と題し、無声映画の野外上映会を開催する。
2018(平成30)年に90周年を迎えた同館は、坪内逍遙の発案で、エリザベス朝時代、16世紀イギリスの劇場「フォーチュン座」を模して設計された。上映会場となる前舞台は、ハーフティンバー様式の建物に囲まれ、開館当時よりさまざまな演劇公演の舞台となってきた。
「エンパクシネマ」は、この舞台に巨大なスクリーンを設置し、サイレント映画を投影し、弁士の語りとギターとフルートの演奏で鑑賞するイベント。
上映作品は、日本初の長編漫画映画「桃太郎 海の神兵」の作者・瀬尾光世の初期作品「一寸法師ちび助物語」(上映時間10分)、古典的ギャグ満載のコメディー短編「ドタバタ撮影所」(11分)、「映画の父」として知られるD・W・グリフィス監督の代表作、悲劇「散り行く花」(67分)の3本立て。
活動写真弁士は澤登翠さん、山城秀之さん、山内菜々子さん。ギターは湯浅ジョウイチさん、フルートは鈴木真紀子さん。
早稲田大学演劇博物館助教の久保豊さんは、「映画に音声がなかった時代、人々は活動写真弁士の映画の解説に音楽の生演奏を聴きながら、ライブで映画を楽しんでいた。ユーチューブなどで気軽に動画を楽しめる時代だからこそ、当時の豊かな映画文化をエンパクシネマで通じて味わってほしい」と呼び掛ける。
上映時間は18時30分~20時30分(開場は18時)。参加無料、予約不要。
雨天時は一時中断や会場変更の場合も。当日15時までに同館ホームページにて告知する。