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コロナ禍で「失われた公演」チラシなど 早大演劇博物館が収集、オンライン展示へ

「失われた公演―コロナ禍と演劇の記録/記憶」

「失われた公演―コロナ禍と演劇の記録/記憶」

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 早稲田大学演劇博物館(新宿区西早稲田1)が、新型コロナウイルス感染症に対応して中止・延期となった演劇公演を記録に残し後世に伝えるため情報収集したチラシなどの公演資料のオンライン展示を行っている。

「失われた公演―コロナ禍と演劇の記録/記憶」オンライン展示サイト

 オンライン展示のタイトルは、「失われた公演―コロナ禍と演劇の記録/記憶」。コロナ禍の影響下にある現在を、演劇という視座から記録し、2020年に上演がかなわなかった公演の記録・記憶を後世に伝えたいという。公演を中止・延期せざるをえなかった作り手のみならず、観客も含めた、人の思いや声をすくい上げ伝えることで、「苦境に立ち向かい続けている演劇現場へのエールにもなること」を目指す。

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 オンライン展示サイトでは、公演チラシ画像のほか、公演予定であった日時や会場、公演関係者のコメントなどが展示されている。

 公演関係者として、2020年7月、東京芸術劇場で予定されていた公演『サンセットメン』のプロデューサー、有本佳子さんは、「今年に入ってから悪夢のような世界情勢となり、刻々と変化(悪化)する状況下で、迷いながらのチラシ作成となってしまったのです。上演出来るか分からない公演の、使うか分からないチラシを作る作業は、モチベーションの維持が難しく、日々心が揺れました。関わる全ての方々の安全を最優先で考えた結果、公演中止という判断に至り、宣伝活動をする前に今回の企画は終わってしまいました。行き場を失った山積みのチラシに胸が苦しくなりましたが、それでもやはり出来上がったチラシは愛おしく、大切な記録となっています」(原文ママ)とコメントしている。

 現在、古典芸能から現代演劇まで、約90団体から450点以上の資料(チラシ、ポスター、台本、映像など)が寄せられている。展示は随時更新し、2021年春の現物展示による企画展の開催も検討している。

 同館では、引き続き資料提供を呼び掛けている。資料収集の対象は、新型コロナに対応して中止または延期となった公演のチラシ、ポスター、プログラム、パンフレット、台本、公演中止を知らせるDM等の文面など。演劇には、バレエ、オペラ、ダンスなどの公演も含む。2020年度内に延期されて上演が実現した公演についても、当初予定された公演を対象とする。

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