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早大が当面の授業形態を発表 「今学期中、対面授業も継続」、感染拡大防止呼びかけも

早稲田大学のシンボルとして知られる大隈記念講堂

早稲田大学のシンボルとして知られる大隈記念講堂

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 早稲田大学(以下、早大)が5月10日、当面の授業形態を田中愛治総長のメッセージを通じて発表した。

早稲田大学前の早大南門通りの5月13日の様子 その1

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 メッセージでは、今学期の授業を全面オンラインに切り替えないことや、感染の拡大防止に細心の注意を払いながら対面とオンラインを併用する現在の授業形態を継続していくと言明。持病などのさまざまな事情で対面授業の継続が難しい教員や学生には、個別で対応すると補足した。

 対面授業を継続する理由では、すべての教室の空調設備で1人当たり1時間に30立方メートルの換気が出来ることや、大人数の講義ではない実験やゼミなどの対面授業が必須の授業を収容定員の半分以下で実施していることをはじめ、早大での感染者数がここ数週間は安定している点を強調している。

 早大によると、学内の累計感染者数の推移は、学生が、4月15日=217人、同25日=244人、5月7日=259人、同13日=280人でうち21人が療養中。教職員が、4月15日=16人で、以降は変化がなかったが、5月13日=18人でうち1人が療養中。都内で新規陽性者が増加する傾向に比べると、低い水準を保つ。

 併せて、学生の課外活動は、懇親会や飲み会、打ち上げの開催や学外でオフラインにより開催される大会やイベントなどへの参加の禁止などで、引き続き自粛を求めている。公認サークルの代表者からは「コロナ以前は、飲み会でコミュニケーションを取り、メンバー同士の交流を深めていた。それに代わる手段が確立できていない。一方で、コミュニケーションを飲み会に頼っているところが集団や組織として正しいのかという考えもあり、苦悩している」との声も。大学が対面授業の継続を最優先に掲げる中で、学生も工夫や試行錯誤を続けながら課外活動に取り組んでいることがうかがえる。

 新たな感染症対策では、学内放送や近隣の飲食店と協力してポスターの掲示を行うなど黙食や喫煙所での黙煙の喚起を行う。学内感染者数の客観的データをモニタリングしていくことで、感染者数が急増した場合の素早い方針転換も視野に入れる。

 メッセージの結びで田中総長は「学生ならびに教職員の皆さんが、自粛して感染の拡大を防止してくださっていることに、改めて感謝の意を表します。どうか引き続きのご協力をお願いいたします」(原文ママ)と呼び掛る。

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