創業93年の日本茶店「茶のつたや」(新宿区高田馬場1、TEL 03-3200-0285)が5月8日、季節限定の自家製抹茶ソフトクリームの提供を始めた。
「茶のつたや」を営む店主の清水克弘さんとおかみの清水明子さん
店の歴史は古く、1928(昭和3)年に茶葉専門の「つたや茶店」として創業。初代店主の妻の実家の壁にツタが絡まっていたことから着想を得て、名付けられたという。店舗は第2次世界大戦下の空襲によって焼失したが、同年に再建し営業を再開。現在は3代目の清水克弘さんが、妻の明子さんと共に経営している。
先代おかみの時代、2階で喫茶店を営んでいた克弘さん。1996(平成8)年に店を継ぐ際、喫茶店は閉じ茶店を改装し実家も喫茶店を営んでいるという明子さんのアイデアで黒と緑を基調としたしつらえにし5席のカウンター席を設けて喫茶コーナーを作った。
北海道産生乳のバニラソフトに、京都宇治の老舗茶舗の山政小山園が扱う抹茶「さみどり」をブレンドする。人気メニューだが良質なものを提供するため季節限定としている。店内では、明子さんがほれ込んだという琉球(りゅうきゅう)ガラスの器に絞り出した深緑色のソフトクリームに抹茶を振りかけ、和菓子を添えて提供する。明子さんは「カフェでのひとときを通して、お茶のある暮らしを体感してほしい」と言う。学生街という立地から、学生さんたちに気軽に楽しんでもらえるようにと、コーンに入れたソフトクリームのテークアウト販売も行う。
現在の店舗は、2018(平成30)年に2度目のリニューアルを行い、カウンター10席、テーブル20席の喫茶コーナーで、煎茶や抹茶のほか季節の上生菓子やぜんざい、焼き菓子などを提供する。店内では、日本茶のほか、日本各地から湯飲みや急須など日本の工芸品や雑貨を集めて販売する。
克弘さんは、毎日、抹茶をふるいにかけて抹茶ソフトクリームを手作りする。また喫茶メニューには、客の前でシェーカーを振ってサーブする冷抹茶など創意工夫をこらす。「日本茶の本来の味と香り、急須の素晴らしさや日本の伝統をもっと知っていただきたい。茶葉の販売だけでなく、希望に応じてお茶の入れ方のデモンストレーションも行っている。こだわりを詰め込んだ日本茶カフェで一服していただければ」と呼び掛ける。
営業時間は11時~18時(土曜・日曜・祝日は12時~)。木曜定休。