早稲田大学次世代ロボット研究機構シンポジウム「ロボティクススタートアップ会議2021~ロボットベンチャーの成功を考える~」が9月8日、オンラインで開催される。
「ロボットの未来」のイメージ その1(提供:東京ロボティクス)
同シンポジウムは、9月8日~11日にオンラインで開催される「第39回日本ロボット学会学術講演会」の一般公開企画の一つ。「研究者やエンジニアが創業した会社を中心に起業家の生の声を聞くことで、起業のイメージを具体化してもらうこと」を目的とする。主催は早稲田大学次世代ロボット研究機構と早大発のロボットベンチャー「東京ロボティクス」(新宿区山吹町)。
開催は2回目。東京ロボティクスの社長・坂本義弘さんとサムスン電子の常務役員・尹祐根(ユン・ウグン)さんは「インターネット関連企業は短い期間で大きな企業価値が付き、上場に至っているケースがある一方で、ロボットベンチャーが苦戦しているのではないかという印象がある。ロボットベンチャーの課題を克服しよう」という共通の課題意識があったことが前回の開催のきっかけとなった。
尹さんは、肘関節のない小型協働ロボットを開発するライフロボティクスを創業し、会社を売却した経歴を持つ。坂本さんは「前回の企画は大変好評で、多くの方がスタートアップに注目していることが分かった。一方、ロボットベンチャーが苦戦を強いられている状況は何も変わっていない」と話す。
当日は、ロボットベンチャーの起業家を招き、立ち上げの経緯や資金調達のポイント、事業に対する思いなどについて講演を行い、「一般に困難と言われるロボットベンチャー(ハードウエアベンチャー)の成功事例を増やすために、成長の方法を論理的に検討する場」を提供する。
登壇するのは、移動ロボットの開発を行うDoog(茨城県つくば市)の社長・大島章さん、コミュニケーションロボットの開発を行うユカイ工学(新宿区富久町)のCEO・青木俊介さん、ロボットのソフトウエアを開発するリンクウィズ(浜松市)の社長・吹野豪さん、ロボット義足の開発を行うBionicM(文京区)の社長・孫小軍さん。早稲田大学次世代ロボット研究機構・機構長の大谷淳教授、坂本さんも出席。尹さんは特別講演を行うほか、講演者4人とのパネルディスカッションも行う。
すでに140人を超える申し込みがあり、坂本さんは「参加者が大学、公的研究機関、大企業、中小・ベンチャー企業、官公庁と、多岐にわたっており興味深い。ご自身の起業のヒントを得ることや、技術動向の調査、政策の参考など、さまざまな動機で参加いただいているのだと推察している」と話す。
「ニーズの発見、技術的課題の克服、コスト低減、量産、保守・サポートなど、壁が高くて多い。こうした制約の中、会社をどのように成長軌道に乗せるのか。今回は、前回のテーマでもあった『創業』に加えて『成長』にもフォーカスし、ロボット技術者出身の創業者の皆さんと議論する予定。有意義なイベントになることは間違いないので、ロボットベンチャーに興味がある人は参加してもらえれば」と呼び掛ける。
シンポジウムはZoomで行う。開催時間は13時~17時30分。参加無料。申し込みはPeatixから。