早稲田大学応援部が10月27日、「第68回早慶戦前夜祭 稲穂祭(以下、稲穂祭)」をユーチューブでライブ配信した。
「第68回早慶戦前夜祭 稲穂祭」、早稲田大学応援部のステージの様子 その1
東京六大学野球・秋の早慶戦の直前の水曜に「打倒慶応」の士気を高めることを目的として開催される「稲穂祭」。昨年は新型コロナの影響で、初のオンライン開催を行い、7.2万回以上の視聴があった。その後の早慶戦では、早川隆久主将(当時)の力投、蛭間拓哉選手の2試合連続のホームランなどで、早大は慶応義塾大学に2勝し、10シーズンぶりに優勝に輝いた。
昨年は事前に収録した動画の配信だったが、今年は大隈記念講堂を会場にライブ配信を行った。第68回稲穂祭実行委員長の渡辺来夢さんは「事前収録ではクオリティーを担保できる反面、リーグ戦が始まっていない中での収録となり、早慶戦にどういう気持ちで向かっているかが分からない状況があった。しっかり早慶戦を見据えたものにしたかったので、今年はライブ配信にした」と話す。
今年のテーマは「挑戦」。早大野球部が野球において先輩格であった慶応大野球部に挑戦状を出したことがきっかけで1903(明治36年)年に初の早慶戦が開催されたという史実をオマージュする。2021春季リーグで優勝した慶応大に挑戦するという思いも込める。
渡辺さんは「テーマの『挑戦』にはさまざまな意味を込めているが、私自身もこの稲穂祭を作ることが一つの挑戦だった。経験してきた過去3回の稲穂祭、そして、これまでの応援部生活でうれしかったこと、悔しかったこと、やりたかったこと、やりたくなかったけどやれて良かったこと。あらゆる経験を武器に、『自分にしかできない稲穂祭を作る』。これが私の最大の挑戦だった」と振り返る。
「今の1、2年生は無観客での応援しか知らない世代。ライブ配信にしたのは、全員がより緊張感を持って臨むためでもある。全員に出番のある稲穂祭にしたかった」と渡辺さん。ツイッターでの事前告知動画では、全部員が1人ずつ意気込みをツイートしたり、全員が登場するポスターを制作したりするなど、一人一人が稲穂祭と向き合う機会をつくってきた。
薗田将直代表委員主将が慶応義塾大学應援指導部への挑戦状を書くオープニングから「早稲田大学校歌」への流れで始まったステージ。ツイッターで披露してほしい応援歌の募集も行い、参加型の企画にも注力した。映像による野球部壮行会、総長のあいさつ、体育会やサークル、早稲田の街の人のメッセージも流した。
応援曲メドレーでは、今年、新たに募集した新ファンファーレ「冠(かむり)」もお披露目。全国の高校の応援部をリレー映像でつなぐ「『栄冠は君に輝く』リレー映像企画」では9県13校が参加。コロナ禍で応援できる場が少なくなっている高校生に活躍の舞台を提供した。応援部リーダーに女性が多いことも特徴だった
早大応援部の代表委員主将・薗田将直さんは「コロナ禍で離れ離れになってしまった早稲田がもう一度一致団結し、慶応に立ち向かっていく、この流れ、勢いをつくるのがこの稲穂祭であり、われわれに求められている使命だと感じている。応援部をまとめあげる役割のリーダーが1年間の集大成をぶつけ、気迫のこもった姿をお見せする」と話す。
早大応援部のリーダーコーチで企画監修した笹山俊彦さんは「早慶戦の原点とこれまで積み重ねられた歴史に敬意を払いながら、全早稲田人に『われわれ早稲田は118年前と同様に挑戦者であることを強く意識してほしい』と考え、この令和の時代に、再び挑戦状を持って宿敵・慶応に相対することとした。一人でも多くの早稲田に関わる人々に視聴いただき、早慶戦において応援してほしい」と呼び掛ける。
早稲田大学応援部の公式ユーチューブチャンネルでアーカイブ動画を見ることができる。10月30日、31日に開催される2021秋季リーグ戦の早慶戦で早大が2連勝すると、優勝が決定する。