区立鶴巻図書館(新宿区早稲田鶴巻町、TEL 03-3208-2431)が、募集した「つるまき本の帯デザイン賞」の受賞作を発表し、同館で作品展示を行っている。
同館1階で、優秀賞を受賞した「水を縫う」(寺地はるなさん著、集英社刊)、「20代で得た知見」(Fさん著、KADOKAWA刊)、「きよしこ」(重松清さん著、新潮社刊)の帯3作品、入選10作品の帯を含む、応募作品271点の中から、審査結果上位32作品を展示。入賞作品は図書館所蔵の本と併せて展示する。
優秀賞3作品には賞状と図書カード、入選10作品には文房具セットが贈られる。同館が発行する館報「つるさんのおたより」で、優秀賞受賞者のコメントや選者の講評などを作品と共に掲載する予定。
各賞は、館内審査を経て早稲田鶴巻町に拠点を置く出版社・藤原書店の藤原良雄社主、あすなろ書房の山浦真一社長、西早稲田の古書店・三幸書房の飯島悟店主の最終審査を経て決定した。
藤原さんは「帯の出来により売れることがある。それくらい大事なもの。字が小さくて読めないのは論外。買う人が帯の字を見るのは瞬間。極端に言えば1秒、2秒で『あっ』と感じたら手に取っている。そこが審査の判断ポイント」。山浦さんは「キャッチコピーを本文から引用している作品が多かった。それはあまり面白くない。本文からの引用ではなく自分なりの魅力ある言葉で書いてほしい」。飯島さんは「本屋では、平積みでなければ背表紙しか見えない。何もないのは寂しく感じる。背表紙に目配りしていれば良くなった作品が幾つかあった」などの講評を寄せている。
伊藤館長は「昨年は緊急事態宣言下での休校の関係で、1人で複数作品の応募もあり411作品の応募があった。今年は複数応募が減り点数は少なくなったが、他区の学校も含め前回よりも多くの学校の生徒さんからの応募があった。また昨年の審査講評を参考にデザインされたと思われる作品が寄せられていた。来年以降も、たくさんの応募が頂けるよう周知し続けていきたい」と話す。
開館時間は9時~19時(土曜・日曜、祝日は18時まで)。火曜休館。現在、新型コロナ対策として換気と消毒のため、13時~13時30分、16時~16時30分(平日のみ)は入館不可。展示は11月29日まで。