早稲田大学政治経済学術院が12月23日、国際文学館(村上春樹ライブラリー、新宿区西早稲田1)で「キャンパスピアノ」を開催した。
早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)で開催された「キャンパスピアノ」の様子 その1
「キャンパスピアノ」は駅ピアノやストリートピアノの大学キャンパス版。政治経済学部4年の村島みのりさん、田中翔さん、西岡愛さんが企画した。企画は、「コロナ禍で希薄化した、人と人との『つながり』を取り戻すためのイベントの提言」を求めたコンペ「早稲田大学政治経済学術院『つながる』イベント」で最優秀賞と学生賞を受賞。コンペには22件の応募があったという。
同じゼミだった3人が感染対策とつながりという相反する二つを同時に実現する企画を考える中で、全員に音楽の経験があったことで「音楽の持つ力を実感していたのも大きかった」と田中さん。「早大には留学生も多い。音楽であれば言語の壁がなくなり、留学生も巻き込めるのではないかと考えた」と振り返る。
政治経済学術院の多湖淳教授は「コロナでつながりがないという問題意識があり、教職員よりも学生に考えてもらったほうが早稲田らしいのではないかと思い、コンペを企画した。今後もつながりをつくっていけるような企画を実施していきたい」と話す。
当初は、政治経済学術院がある3号館を会場にする予定だったが、今年10月にオープンした国際文学館からの提案で変更した。国際文学館では、村上春樹さんが経営していたジャズ喫茶「ピーター・キャット」で使用していたグランドピアノを常時展示しており、特別に使用した。
当日の演奏者はツイッターで募集するとともに人づてで呼び掛けた。ポップスピアニストのハラミちゃんとジャズピアニストの岩崎良子さんも演奏。合わせて28人が演奏し、157人が来場した。
田中さんは「村上さんのグランドピアノを実際に弾くことができうれしい。来年も開催できれば」と意気込む。