4月2日の世界自閉症啓発デーに合わせて現在、早稲田大学南門通り商店会がポスターや旗を掲示している。
TASUC早稲田教室の(左から)小笠原英人さん、庄司薫さん、高信千亜樹さん(高ははしごだか)
世界自閉症啓発デーは、2007(平成19)年に国連総会で制定され、全世界で自閉症への理解を促す取り組みが行われる。日本では、8日にかけての発達障害啓発週間に世界自閉症啓発デー・日本実行委員会がシンポジウムの開催やランドマークのブルーライトアップ等の活動で、自閉症をはじめとする発達障害についての理解を啓発するなど、さまざまな取り組みが行われている。
同商店会への掲示を呼びかけたのは、個別療育で子どもの発達支援に携わるTASUC(たすく)早稲田教室(新宿区西早稲田1)。2017(平成29)年の開設以来、同週間に合わせ活動のイメージカラー・青色のTシャツを着てのウオーキングなどを続けてきた。今年は活動の幅を広げ、ポスターやフラッグの掲示で加盟店のほか東京メトロ東西線早稲田駅などにも協力を求めた。教室に通う子どもの保護者も自宅周辺の店や駅などに協力を呼びかけたという。
同教室の教室長を務める庄司薫さんは「まずは地域の皆さんに自閉スペクトラム症や発達障害について知ってもらいたかった。多くが快く受けてくれ、40カ所以上で掲示が実現し心強く感じた」と話す。
期間中には「Grab the Freedom and Mobility(街を歩こう!まだ見ぬ世界へ!)」とプリントした旗を用意。2次元バーコードからダウンロードして、自宅や店舗などに掲示した様子を写した写真に「#街を歩こうまだ見ぬ世界へ」というハッシュタグ(検索目印)を付けてのSNSへの投稿も呼びかける。
4月3日には、他の教室と連携して中野セントラルパークから高円寺馬橋公園までの間でテーマカラーの青を身に着けてのノルディックウウオーキングを行う。
庄司さんは「障がいがあっても、自分の意思で『移動』できることが意思決定を促す支援にもつながる。障がいやハンディの有無にかかわらず、誰でも安心安全に笑顔で地域で暮らせる社会になってほしい。活動をきっかけに、より多くの地域の商店会や子育て支援機関、行政、家族会などと連携したい」と力を込める。