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高田馬場の日本点字図書館、純白の「バリアフリーカレンダー」

純白のバリアフリーカレンダー(白地タイプ)

純白のバリアフリーカレンダー(白地タイプ)

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 点字図書と録音図書の製作・貸し出しなどを行う日本点字図書館(新宿区高田馬場1)が10月25日、「2019年版バリアフリーカレンダー」の取り扱いを開始した。

2019年版バリアフリーカレンダー(カラータイプ)

 同館は1940(昭和15)年、自身も視覚障がい者だった本間一夫さんが雑司ヶ谷に創立した「日本盲人図書館」を前身とする。翌年、新宿区高田馬場に移転した後、戦争のため茨城県、北海道増毛(ましけ)町へ疎開、戦後約2年半は増毛町から点字図書の貸し出しを行い、1948(昭和23)年に「日本点字図書館」と改め、高田馬場で事業を再開した。

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 現在では点字図書と録音図書をそれぞれ約2万数千タイトル保有し、全国の視覚障がい者に年間約15万タイトルを貸し出す国内最大の点字図書館となっている。図書の貸し出しのほか、視覚障がい者用具や点字図書の通信販売や売店での販売を行っている。取り扱う用具は、点字機器、歩行補助、時計・計測器、調理器具、音響器具、おもちゃ・ゲームと幅広い。

 今回、販売を開始した「2019年版バリアフリーカレンダー」は、箔(はく)押しや点字印刷を手掛ける真美堂 手塚箔押所(新宿区)が企画・製造する。「年齢や障がいにとらわれず誰もが同じものを一緒に使うことができれば、お互いへの理解や、相手を思いやる気持ちが生まれる」との思いから、2013年に構想を始め、2015年から販売してきた。

 視覚障がい者の1割程度しか点字使用者がいないと言われていることや、視覚障がいのない人も一緒に使えることを実現するために、箔押しの技術を用いて「浮出し文字」でカレンダーを製造。触って確実に字が読める高さと、浮き上げる際にシワが寄らない見た目の美しさのバランスにこだわり、毎年改良を続けてきた。2018年版では祝日を、2019年版では曜日の表記を点字で加え、カレンダー表紙裏面に「点字のしくみ」を記載。点字を知らない人でも気軽に点字が体験できるように工夫している。

 日本点字図書館の渡辺明さんは「当館では『バリアフリーカレンダー』を発売当初から取り扱ってきた。当館が扱う用具には視覚障がいの有無にかかわらず誰でも便利に使える調理用品や財布などの日用品があり、このカレンダーもそのひとつ。視覚障がいに対する理解が広まるきっかけになればうれしい」と話す。

 真美堂 手塚箔押所の手塚博雄社長は「事業で点字印刷を手掛けるようになってから、視覚障がいのある人と出会うことが増えた。彼らと会話で情報を共有できても、文字を使って共有することは難しく、そのことが少しの壁を作ってしまっているように感じた。そんな経験から生れたカレンダー。白地タイプは光の陰影で文字が浮かび上がり、カラータイプはシンプルな色使いでインテリアとして使っていただくこともできる。ぜひ手に取っていただければ」と呼び掛ける。

 白地タイプ、カラータイプがあり、価格は3,200円(税別)。売上の一部は公益財団法人アイメイト協会に寄付され、盲導犬育成に役立てられる。