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早大で「山下洋輔トリオ 再乱入ライブ」 村上春樹さん発案、アーカイブ配信も

「村上春樹presents 山下洋輔トリオ 再乱入ライブ」の様子(画像提供:TOKYO FM)

「村上春樹presents 山下洋輔トリオ 再乱入ライブ」の様子(画像提供:TOKYO FM)

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 「村上春樹presents 山下洋輔トリオ 再乱入ライブ」(以下、再乱入ライブ)が早稲田大学の大隈記念講堂(新宿区戸塚町1)で7月12日、開催された。TOKYO FMと早稲田大学国際文学館の共催。

53年ぶりに早稲田大学でライブを行った「山下洋輔トリオ」の皆さん

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 学園闘争の最中にあった1969(昭和44)年7月、大隈記念講堂に保管されていたピアノを学生たちがバリケードで封鎖された旧4号館(現在の8号館の場所にあった校舎)に運び出し、山下洋輔さん(ピアノ)、中村誠一さん(テナーサックス)、森山威男さん(ドラムス)の「山下洋輔トリオ」がフリージャズライブを行った。

 当時の仕掛け人は田原総一朗さん。ドキュメンタリーの撮影を山下さんに持ちかけ、対立する団体がライブで一堂に会して暴動が起こり、山下さんらの生命が危険にさらされるという企画だったが、再乱入ライブに観客として駆け付けた田原さんは「みんな静かに聞いていた。大学の教職員も警察に通報せず聞き入っていた」と振り返る。

 作家の村上春樹さんが今回の発案者。昨年10月、村上さんの寄贈資料などを収める「早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー、現在の4号館)」が開館。その地下には村上さんが経営していたジャズ喫茶にあったピアノが設置されているおり、「ジャズ」「ピアノ」「4号館」という共通のキーワードも。村上さんは「同じメンバーで『再乱入ライブ』をやろうじゃないかという乱暴な思い付きで、このたびのコンサートが催されることになった」と経緯を説明する。

 オープニングアクトの早稲田大学モダンジャズ研究会による演奏の後、村上さんやミュージシャンの坂本美雨さん、菊地成孔さん、作家の小川哲さん、写真家の都築響一さんがトークイベントに登壇。当時の学園闘争やジャズをはじめとする音楽の状況や街の雰囲気、現在まで続くフリージャズの文脈などを紹介した。

 その後の再乱入ライブでは、当時のライブで最初に演奏した楽曲「テーマ」(山下さん作曲)から始まり、4曲を演奏。中村さん作曲で「山下洋輔トリオ」の2作目のスタジオ作品のタイトルにもなった「木喰(もくじき)」の誕生秘話なども披露。山下さんは「早稲田大学は特別な場所」と話した。

 演奏後のアフタートークでは、山下さんが当時の学園闘争とフリージャズの共通点、村上さんが山下さんのジャズに内包される物語性やピアノを持ち出した学生の話題などに触れたり、観客からの質問に答えたりした。アンコールでは山下さんがソロで「Memory is a Funny Thing」を演奏した。

 オンラインでも配信され、7月19日まで視聴できる。販売は同日12時まで。料金は本編=3,500円、アフタートーク=1,000円。

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