大隈重信宛の手紙をモチーフにした企画展「手紙―書翰(しょかん)が伝える偉人たちの絆―」が現在、早稲田大学歴史館(新宿区西早稲田1)で開催されている。
今年春に佐賀市大隈重信記念館で行われた企画展の巡回展。早稲田大学の創設者、大隈重信の邸宅に遺された手紙に焦点を当て、佐賀藩主であった鍋島直正の要望で「牛肉と料理人を用意してほしい」という側近からの手紙など、大隈の人柄や時代背景などが分かる資料を公開する。「電話が普及する以前、大隈家には毎日おびただしい数の手紙が届けられ、その中には佐賀の偉人たちの手紙も数多く」(企画展チラシより引用)あったという。
会場では手紙のほかに、大隈宛の大量の手紙を差出人別に整理し目録を付けて大切に保管していた大隈綾子夫人と、大隈の伝記編集に当たった同大学初代図書館長の市島譲吉とのやりとりや、大隈を取り巻く佐賀の要人、鍋島直正、江藤新平、副島種臣らを紹介するパネルなども展示する。
同展を担当した三浦香里さんは「佐賀市大隈重信記念館所蔵の書簡を東京で見ることができる機会は少ない。本展では、加えて本学図書館が所蔵する貴重な資料も展示する。明治維新の立役者たちのプライベートな書簡からは彼らの人間味のあるほほ笑ましい一面も垣間見ることができる。書簡は高尚で難しいと考えている人たちにもぜひ足を運んでほしい」と話す。
「明治維新と言えば、薩長の藩士たちがクローズアップされがちだが、佐賀も大隈をはじめ多くの人材を輩出している。この企画展が明治維新の時代に活躍した佐賀の偉人たちの足跡を訪ねていただくきっかけにもなれば」と呼び掛ける。
開館時間は10時~17時。入館無料。2月26日まで。