早稲田大学が学部、芸術学校、大学院の入学式を「早稲田アリーナ」(新宿区戸山1)で4月1日と2日、行った。
感染症対策で2日間にわたり6回に分けていた式典を4年ぶりに4回に戻し、コロナ以前の入学式に近い形となった。保護者はキャンパス内に用意された中継会場やオンラインでの参加だったが、キャンパス内には入学を祝う家族の姿も多く見られた。今年は学部生約9000人、大学院生約3000人が入学した。
早大入学式の名物になっている新歓は、4年ぶりにキャンパス内を会場に本格的な対面形式で行った。屋内屋外に250を超えるブースが設置され、体育各部やサークルが勧誘活動をした。10号館前に用意されたステージでパフォーマンスを繰り広げたほか、3日には多目的施設の「早稲田アリーナ」で合同の説明会、座談会、制作物の展示を行った。
学生生活課の江夏志門さんは「4年ぶりの本格的な対面での新歓で、学生も職員も以前どのように開催していたか調べたり、思い出したりしながら準備をしてきた。新歓に向け、学生が尽力してくれたおかげで無事開催できた」と話す。新歓でサークルの勧誘をしていた学生は「初めての経験だったが、すごい人出で1000枚用意したビラもなくなり、驚いた。1人でも当サークルに興味を持ってくれたらうれしい」と興奮気味に話した。
入学式に合わせて、早大のアイコンの一つである角帽の新規需要創出を目指す「角帽復活プロジェクト」は入学式企画を行った。祖母、母も早大を卒業し、入学前に角帽を購入していた石井茉利奈さんの記念撮影をして、角帽の認知向上を図った。
母親の美帆さんは「娘が生まれた時から母が『3代早稲田だったらうれしい』と話していたが、それが現実になった。今振り返っても学生時代は、人生の中でも一番楽しい時間だった。娘も同じような経験をしてくれたら」と話す。
茉利奈さんは「母と祖母の影響で幼い頃からなんとなく早稲田を意識していたが、中学3年生の時にオープンキャンパスに参加して、早大に行きたいという気持ちが強くなった。大学ではマーケティングを学びたい。国際的な異文化にも興味があるので、その分野とも掛け合わせることができれば」と抱負を語った。