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中国茶カフェ「甘露」が中国のお茶とおやつの本、中国を知る新たな入り口に

「甘露」の創業メンバー。(右から)向井直也さん、張玉若(玉は金偏)さん、向井まい子さん、謝霄然さん

「甘露」の創業メンバー。(右から)向井直也さん、張玉若(玉は金偏)さん、向井まい子さん、謝霄然さん

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 カフェ「甘露」(新宿区西早稲田3)が中国のお茶とおやつを紹介する本「はじめての中国茶とおやつ」が4月10日、誠文堂新光社から出版された。

甘露の中国スイーツ(焼き菓子)

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 甘露は、2018(平成30)年10月にオープンした中国のお茶と薬膳スイーツのカフェ。向井直也さん、まい子さん夫婦と、当時留学生だった謝霄然(シェ・シャオラン)さん、張玉若(玉は金偏)(チョウ・ギョクジャク)さんが出会ったことから始まった。

 季節ごとにメニューを変える中国各地のスイーツなどがツイッターで話題となり、2万フォロワーを持つ人気店に、中国アニメ「羅小黒戦記(ろしゃおへいせんき)」「ミニ豆ちゃん」などとのコラボメニューなどで中国文化を伝える試みなども話題となった。

 今回の出版は、客として店を訪れていたフリーランス編集者の十川雅子さんと誠文堂新光社からの提案がきっかけ。まい子さんは「中国の文化に興味を持ち始める若者が増えている。中国のお茶やおやつの入門書、中国の文化を伝えるような本を」という十川さんに自分たちと共通の思いを感じた。中国のことが知りたいと思う時に、お茶やおやつが新たな入り口の一つになるような本になるならと考えた」と振り返る。

 中国茶の本は数多い。甘露として本作りをするなら、自分たちだからできることは何か、どういう本が作れるのか、十川さんと創業メンバー4人でディスカッションを重ねたという。まい子さんは「地域で育ったお茶を飲み、その地域にある食べ物を食べる。中国の茶文化を含めた普通の人たちの暮らしやその土地の文化、当たり前の営みをそのままストレートに伝えたい。そのためにはどうしたらいいか」を考えたという。

 同書は「中国茶のこと」「中国の茶館めぐり」「産地別お茶紹介」「茶器と飲み方」「中国のおやつ」「中国のおやつレシピ」の6章立て。

 「中国の茶館めぐり」では、中国の9地域のお茶に関する習慣や茶館を紹介する。現地での取材は、想定していた店舗の一部はコロナ禍で閉店や休業中という中で、謝さんや張さんの友人、甘露の菓子工房の元スタッフで帰国した元留学生の協力を得て行った。

 「中国のおやつレシピ」では、実際に甘露で提供してきたオリジナルレシピを家庭でも作りやすく、おいしく仕上がるようにアレンジした作り方を、それぞれの菓子が作られている地域や特徴と合わせて紹介する。

 まい子さんは「これまで甘露を支えてくれたお客さまや多くの協力者のおかげで出来上がった本。中国は広い。中国のお茶、中国のおやつとひとくくりにはできない。地図を片手に旅をするように読めるよう巻末に地図を折り込んだ。長く手元に置いて、気になった時にパラパラとめくってもらえるような本になれば」と思いを込める。

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