「早稲田大学演劇博物館」(東京都新宿区西早稲田1、TEL 03-5286-1829)が、2月1日よりバリアフリー化工事のため9月27日まで8カ月間の休館に入った。
2018年10月に開館90周年を迎えた同館の正式名称は「早稲田大学坪内博士記念演劇博物館」(通称エンパク)。新宿区有形文化財の指定も受ける同館は、坪内逍遙の古希と「シェイクスピア全集」の翻訳完成を記念して、1928(昭和3年)年に開館。建築様式は坪内の発案でエリザベス朝時代(16世紀)のイギリスの劇場「フォーチュン座」を模している。
今回のバリアフリー化工事は、同大学「Waseda Vision 150」の「早稲田らしさと誇りの醸成」という核心戦略の下、「キャンパスそのものをミュージアム化する」取り組みの一環として行う。
工事内容は、エレベーターと多目的トイレの設置。エレベーターについては、これまで1階から3階までの展示室の移動に階段を上り下りするしかなく、高齢者や車いすの人などの入館のバリアーとなっていた。
同館広報の木村あゆみさんは「エレベーターの設置などにより、より開かれた博物館に生まれ変わる。100万点を超える所蔵品を持つ世界でも有数の演劇専門総合博物館である当館を、より多くの人に楽しんでいただけるようになれば」と言う。
休館中は全館閉室となり、図書の閲覧、貸し出し業務も停止する。図書の返却は日時を限定し、6号館3階の図書室で受け付ける。
「8カ月間という長期休館となるが、当館で販売していたミュージアムグッズは、早稲田大学演劇博物館事務所(6号館2階)で販売を継続する。3月には、六世中村歌右衛門の旧宅から学内に移植された『うこん桜』が淡い花を咲かせる。5月には、毎年恒例の『シェイクスピア祭』を行うなど、休館中も演劇に関する講座を予定しているので、注目いただけたら」と呼び掛ける。
リニューアル後の企画展として、9月28日から「コドモノミライ-現代演劇とこどもたち展」(仮)が予定されている。