一時閉店中の軽食とラーメンの店「メルシー」(新宿区馬場下町)が10月8日、営業を再開する。
定番メニューのラーメン=早大近くの軽食店「メルシー」が営業再開へ
ワセメシ(早大近くの飲食店の総称)の老舗として知られる「メルシー」は1958(昭和33)年に早大の南門近くに開店し、1970(昭和45)年に早稲田中学・高校の東向かいにある現在の場所に移転。それまで多かった喫茶店メニューを絞り、現在のメニュー構成に近い形となり営業を続けてきた。
定番のラーメンやタンメン、ポークライス、チャーハンなど、安価に食事ができたということもあり、早大卒業生で学生時代の思い出に挙げる人も多い。コロナ禍をきっかけに「店のラーメンの味を可能な限り再現した」という半生ラーメンの通信販売を始めたり、今年7月にローソンで期間限定メニューが発売されたり、店主の小林一浩さんが監修する商品が話題になった。
人手不足が理由で6月末から一時閉店していた。「廃業してしまう」と勘違いする人も多く、SNS上で嘆く声を投稿する人や一時閉店の告知を見た客が行列する状況となった。一時閉店を知らせる店頭の貼り紙に「頑張ってください。応援いたしております。」(原文ママ)と書かれた付箋が付けられたりもした。小林さんは「人手を確保し、秋ごろをめどに営業再開を目指したい」と話していた。
学生を含む4人のスタッフが確保でき、営業を再開することにした。現在、店内の片付け、食器の清掃や仕入れ先への連絡など準備を進めている。営業再開後は、15時~16時に休憩時間を設けるほか、昨今の原材料費の高騰に対応するため、ラーメンなどの各フードメニューを50円値上げする。日曜祝日に加え、月曜が定休日となる。
小林さんは「孫に食べさせたいので、再開を待っているという声をもらったり、店内で作業をしていると『お店やめちゃったんですか』と聞かれたりすることもあった。気にかけていただき、とてもありがたい。一日でも長く続けていけるよう、頑張っていきたい」と意気込む。
営業時間は11時~19時。