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新宿の江戸東京野菜登録の唐辛子、高田馬場で苗分け

苗分けを待つ「内藤とうがらし」の苗

苗分けを待つ「内藤とうがらし」の苗

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地産地消などを目的とした「アトム通貨 内藤とうがらし再興プロジェクト」を運営するアトム通貨実行委員会が5月24日、戸塚地域センター(新宿区高田馬場2)で、江戸東京野菜「内藤とうがらし」の苗分け会を行った。

「内藤とうがらし」の苗を受け取る学生NPO農楽塾とうがらし課の課長を務める林幸歩さん(右手前)

 内藤とうがらしは、江戸中期に現在の新宿御苑辺りに屋敷を構えた大名、内藤家の菜園で栽培され、その後、同家の領地の一部につくられた宿場町、内藤新宿近郊の農家が栽培した野菜の一つ。最盛期には「真っ赤なじゅうたん」と呼ばれたほど盛んに栽培されたというが、江戸の町の人口増加とともに農地は宅地化。内藤とうがらしの栽培は途絶えて400年ほどがたつという。

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 2010(平成22)年に、市民グループ「スローフード江戸東京」により、その復活を手掛ける「内藤とうがらしプロジェクト」が発足。絶えていた唐辛子の種の発見から栽培に成功し、2013(平成25)年に、JA東京中央会の江戸東京野菜に認定された。現在では、区内各所で独自の普及プロジェクトが進められている。

 早稲田・高田馬場では、同エリアの地域通貨「アトム通貨」が、2012(平成24)年に「アトム通貨 内藤とうがらし再興プロジェクト」を立ち上げプロジェクトに参加。地産地消の理念の下、地元企業・団体が苗から唐辛子を栽培。育てられた唐辛子の一部は、毎年9月末~10月初旬に開催する街歩きイベント「バル辛フェスタ」で参加各店舗が工夫する料理として提供されるほか、この唐辛子を使った「アトム七味」を「新宿ご当地七味」、7種類のうちの一つとして販売するなどして消費される。

 8年目となる今年は、300株の苗を用意、「バル辛フェスタ」の参加店などを合わせて、100以上の団体・店舗が同プロジェクトに参加するという。

 同プロジェクトの音頭をとる手塚プロダクション(高田馬場4)で、アトム通貨本部広報を担当する日高海(うみ)さんは「早稲田・高田馬場でのプロジェクトはアトム通貨の運営で得た企業・学校・団体・店舗など地域の人々の輪を基に声掛けをして始まっている。地域の人が地場野菜の唐辛子を育て、それを使った料理でおもてなしをする。今後も『内藤とうがらし』を一つの核にして、そんな地域の循環を広げていきたい」と抱負を語る。

 苗分けに参加した早稲田大学公認サークル、学生NPO農楽塾とうがらし課の課長を務める林幸歩(ゆきほ)さんは「苗は早稲田キャンパスに隣接するリーガロイヤルホテル東京とアトム通貨と農楽塾の三者共同で栽培を行うもの。農楽塾は栽培を担当する。都会の中で農業に関わることができること、赤く色づいた唐辛子を見たホテルのお客さんの笑顔に出会うこと、育てた唐辛子が商品化されることなど楽しみが多い。毎年、実験をしながら栽培をしているので、その結果を今年の収穫に生かしたい」と抱負を語る。

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