グロービス・キャピタル・パートナーズの代表パートナー・今野穣(いまのみのる)さんが7月2日、早稲田大学商学部の講義「起業家養成講座1」に登壇した。
学生からの質問に答えるグロービス・キャピタル・パートナーズの代表パートナー・今野穣さん
同講座は「起業家精神(アントレプレナーシップ)」を育成する事を目的とし、ピジョン(中央区日本橋久松町)の寄付で実施している提携講座。受講した学生全員がビジネスアイデアを提出。講座内で行うエレベーターピッチなどを経てアイデアを約40に絞り込み、チームをつくってビジネスプランを完成させる。提出されたビジネスプランから選ばれた10チームがビジネスプランを発表する。
最終的には3チームに絞り、他に全学から募集し選ばれた3つのプランと合わせ、合計6プランで「早稲田大学ビジネスプランコンテスト」を開催、最優秀ビジネスプランを選出する。学生からも人気の講座で「毎年の履修登録時ではすぐに定員に達する」(早稲田大学商学部)という。
早稲田大学インキュベーション推進室と連携することで、「企画構想力」「ディベート力」「リーダーシップ力」「プレゼンテーション力」などを身に付けられるカリキュラムにするとともに、起業家・経営者を講師をして招き、その体験談から「企業の経営の本質」「リーダーシップ」「起業家精神」などを学ぶことができることが特徴。
今野さんは「ユニコーン企業の作り方。投資される起業家になるために」と題して講義。ベンチャーキャピタリストとして仕事する中で得られた知見、起業する際に重視すべきこと、ビジネスプランを作る上で大切なこと、起業する分野を考える上で必要な世界の動向などを、実体験を踏まえながら学生に語り掛けた。約70分の講演の後、約20分にわたり学生の質問に答えた。約300人の学生が出席し、他所では聞けない話題に聞き入った。
同講座を担当する同大客員教授の村元康(こう)さんが、東京都新宿区が昨年度から実施し、今野さんも審査委員として関わる35歳以下を対象にしたビジネスプランコンテスト「SHINJUKU DREAM ACTIVATION 2」を紹介。新宿区の若年層の起業起爆剤となるべく開催する「伴走支援型ビジネスプランコンテスト」。8月20日締切の同コンテストも紹介することで、作り上げたビジネスプランでチャレンジできる選択肢を学生に提示した。
今野さんは「最近は優秀な学生は起業かベンチャーへの就職が、非常に人気が高い。責任もあるが裁量ややりがい、社会的意義がある環境を求める学生が増えていると感じている。AI(人工知能)が進化していく中で、人と違うことは、これから本当に財産。個性・特技・人と違う差別化要素というものが人間らしさとして際立ってくるようになる。起業しようが、就職しようが自分自身の特異点に向き合ってほしい」と学生にエールを送った。