高田馬場に本店を構える「東京三協信用金庫」(新宿区高田馬場2)が10月12日、創立95周年を迎える。
都電が走る1967(昭和42)年の高田馬場駅前の様子(提供:東京三協信用金庫)
1925(大正14)年、「有限責任戸塚町信用組合」として設立。多くの信用組合は地元の名士、地場の産業人、自治体関係者を中心とする発起人によって生まれたが、戸塚町信用組合は「産業組合の実践者であった西垣恒矩(組合長)、藤倉隆(専務理事)によって生まれ、当時、異彩を放つものだった」(東京三協信用金庫)という。
1949(昭和24)年には「東京建築信用購買利用組合」「共隆信用購買利用組合」と合併し「東京三協信用組合」となり、1951(昭和26)年には信用金庫法の施行により「東京三協信用金庫」へと改組。2002(平成14)年には、池袋信用組合からの事業譲受により池袋支店など3店舗が加わった。
現在は高田馬場の本店を始め、新宿区、中野区、杉並区、豊島区、西東京市、調布市、府中市に12店舗を展開。2020年3月末時点の常勤役職員数は177人、会員数は1万1216会員、出資金は約10億円。「自己資本比率は8.48%と国内基準の4%の2倍以上」(同)という。9月25日時点で、預金残高1,639億円、貸出金残高1,106億円。
地域金融機関として、地域行事に役職員が参加したり、地域交流の一環として営業店主催の勉強会、懇親会を開催したり、小中学校の職場体験受け入れなども行う。創業する人への支援として、新宿区の特定創業支援等事業の創業スクールを開催。東京都の融資制度「女性・若者・シニア創業サポート事業」の取り扱いなど、地域活性化への取り組みを関係各機関と連携して行っている。
昨年12月からは、創立100周年を見据えて高田馬場にある本店ビルの建て替えに着手。現在の本店ビルは1970(昭和45)年に完成以来、1998(平成10)年に増築を行い、約50年経過していた。新本店ビルは2023年の完成を予定している。新本店ビルの完成までは、2軒北隣の唐橋ビル1階で営業を行う。
東京三協信用金庫の吉田進理事長は「お客さま・地域社会の繁栄に寄与することを第一義とし、お客さまとの『共存』『共育』『共栄』を企業理念として業務に取り組んできた。設立以来、時代が移り変わる中、社会情勢、金融情勢にはさまざまな変化があり、決して平坦な道のりではなかったが、創立95周年を迎えることができるのも、地域の皆さまからのご支援のたまもの」と感謝を述べる。