キッチンカーで植物肉を使った料理を提供する早大生中心の「学生団体Planmeet」(以下、Planmeet)が、早稲田大学西早稲田キャンパスでの販売を9月27日に始めた。
「食物繊維・たんぱく質豊富で地球にも健康にも優しい一品」という「ロコモコ丼(てりやき)」
植物肉の認知度を高めるために結成された学生団体。「Planmeet」という名称には、植物を意味する「plant」と肉を意味する「meat」、発音が似ている「会う」を意味する英単語「meet」を掛け合わせ、「植物肉を通して新しい出会いを」という願いを込めた。
代表の足立楓さんは「肉が大好きな普通の大学生」だったという。2019年にアメリカに留学した際、さまざまな理由でベジタリアンを選択している人たちと出会い、自分の食生活を考えるようになった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で帰国し、筋トレに励む中で、昼食だけは肉を食べない「ランチ肉抜き生活」を1カ月続けた。環境保護や体のことを考えても「大好きな肉を食べない生活は難しい」と考えていた時に、植物肉という存在を知った。
「普通の肉と変わらないくらいおいしいし、環境負荷が少なく、健康にも良い」と感じた足立さんは、植物肉の知名度を高めたいと考えた。足立さんの思いに共感した、同じサークルに所属していた齋藤うららさん、森俊介さんを中心に今年3月に「Planmeet」を結成。藤沼諒さん、西村陽香さん、西村七佳さんの3人もメンバーに加わった。
5月には試食会を行い、メニューを決定。全員、飲食経験が無く、料理が特別上手でもなかったため、管理栄養士・料理家の中村美穂さんの監修を受けながら、8月にレシピの改良を行った。「自分たちがお客さまの元へ出向き、植物肉を使ったロコモコを食べているところを他の方にも見てもらうことで、植物肉に興味を持ってもらいたい」という理由でキッチンカーでの出店を決めた。
メニューは「これが植物肉なのか」という驚きがあることや、調理のしやすさや提供スピードを考慮して考案。「食物繊維・たんぱく質豊富で地球にも健康にも優しい一品」というグリーンカルチャーの「Green Meat」を使う「ロコモコ丼」(てりやき=800円、デミグラス、トマトソース=各900円)、「スパイスや野菜ブイヨンを調合し、深みのある味に仕上げた」という「タコライス」(800円)、「低脂質・高タンパク質でたくさん食べても胃もたれしにくい」という「唐揚げ」(500円)の3種類を用意する。「ベジタリアンにも対応できるようにしているので、声を掛けて欲しい」と森さん。
西早稲田キャンパスでの出店初日は、多くの学生でにぎわった。開店から1時間ほどで「ロコモコ丼」が完売。2時間が経過したところで「タコライス」、閉店までに「唐揚げ」も完売した。
キッチンカーでの出店に伴い、クラウドファンディングの支援を呼び掛けている。リターンには、「食べて応援プラン」(3,500円~)、「とにかく応援プラン」(2,500円~)、「限定グッズプラン」(5,000円~)、「スポンサープラン」(1万円~)を用意する。10月31日まで。
足立さんは「高タンパクで低脂質な植物肉の魅力を知ってもらうきっかけを届けたいという思いで活動している。植物肉は健康に良いことに加え、地球環境にも優しい食材。その植物肉の魅力を伝えるには、『こんなにおいしいんだ』と驚いてもらわなければ意味がない」と話す。「そのため、味にはこだわった。たくさんの試作を重ね、料理の専門家の方にもご協力を仰ぎ、試行錯誤の末にスパイスの効いたおいしいロコモコ丼とタコライスが完成した。一食一食丁寧に作っているので、食べに来てもらえれば」と呼び掛ける。
出店は11月末までの2カ月限定。西早稲田キャンパスでの10月の販売は、毎週月曜、11時30分~14時。西早稲田キャンパスのほかに、市谷、下北沢、大手町、北千住でも出店する。