早稲田大学の学部卒業式、芸術学校卒業式および大学院学位授与式が早稲田アリーナ(新宿区戸山1)で3月25日、26日に開かれた。
早大の学部卒業式、芸術学校卒業式および大学院学位授与式の様子 その1
昨年度と同様に感染拡大防止の観点から、例年は両日各2回だった式典を3回に増やし、参加は学生本人に限定。席の間隔を広げたり、保護者にはオンライン配信での参加を呼びかけたり、式典が密にならないよう対策を行った。早稲田大学交響楽団による演奏を3年ぶりに実施した。
式典では総代・副総代、博士学位受領者の紹介に続き、田中愛治総長の式辞があった。田中総長は卒業生とその家族、親族にお祝いの言葉を送り、親族に向け、式典に参加できないことへのおわびを伝えた。卒業生には「新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)を乗り越え、無事に卒業することを誇りに思う」と伝えた。
「皆さんは学生時代につらいことを経験し、他の世代よりもより一層強く、たくましくなっていると思う。この経験が将来役に立つ時があると信じて進んでいただきたい」と卒業生にエールを送った。オンライン開催の早稲田祭2020、オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド開催の早稲田祭2021、部活動・サークル活動で残した成果などを挙げ、卒業生の功績を称えた。
ウクライナで起きている問題などを例に挙げながら、田中総長が就任以来提唱している理念「たくましい知性を鍛え、しなやかな感性を育む」ことを紹介。「ウクライナの人々が受けている人権侵害や殺りくを思うと、言葉に表せないほどの義憤と悲しみが湧いてくる。その中で私が教育者の一人としてできることは、皆さんに早稲田で学んだことを心に刻み、卒業後の人生を歩んでほしいとお願いすることだ」と述べた。
最後に「早稲田で学んだことに自信を持ち、コロナパンデミックの中で苦しい学生生活をやり切ったことを誇りとして、今後の人生を切り開いてほしい」と伝えた。式典の名物にもなっている参列者が大きな声で歌う校歌斉唱は感染拡大防止の観点から、卒業生らは声を出さずに胸の内で校歌を斉唱した。
文化構想学部の卒業生は「4年前を振り返ると、早稲田大学という場所が自分にとってこんなにも大切な場所になるとは思ってもみなかった。たくさんの人と出会い、さまざまな刺激を受け、自分自身が良い方へ変化していく実感のある4年間だった。この早稲田で経験した全てのこと、そして抱いた感情をお守りにして、これから目指す夢を真っすぐ見つめていきたい」と抱負を語った。