第2次世界大戦中、リトアニアで人道的見地から約6000人のユダヤ系難民に対して日本への通過ビザを発給した外交官、杉原千畝の生涯を描く杉原千畝物語 オペラ「人道の桜」が、早稲田大学大隈記念講堂大講堂で11月3日に上演される。
早稲田大学早稲田キャンパス内に設置された「杉原千畝レリーフ」
同公演は、創設者大隈重信の没後100年記念公演として、早大文化推進部と、早大OB(校友会)が中心となって運営する杉原千畝物語 オペラ「人道の桜」制作委員会が共催する。
杉原は早大高等師範部英語科予科(現・教育学部英語英文学科)に入学後、外務省の官費留学生に合格・採用され中退し、後に外交官となる。作品は、学生時代から始まり、本国外務省の度重なる訓令に背き大量のビザを発給したことで被る不遇の時代、死後の名誉回復までの生涯を史実に忠実に描く。
作曲は安藤由布樹さん、脚本・作詞は新南田ゆりさんで、2015(平成27)年5月、リトアニアのヴィリニュス国立劇場で世界初演。オペラなどの公演を通じて杉原千畝の功績を広く世に広め、継承することを目的として、2018(平成30)年10月に制作委員会が発足している。
制作委員会の橋本昌一さんは「世界中で難民が増える時代にあって、どうすれば平和な世界を実現できるのか、この作品に答えはないが、考えるきっかけにもなれば。分かりやすいストーリーと耳に残る旋律で、オペラは難解と思っている人や小学生以上のお子さんも楽しめる作品。この機会にオペラと杉原千畝の生涯に触れてほしい」と呼びかける。
現在、観覧希望を受け付けている。制作費に対する協賛金1口5,000円で指定席チケット1枚を進呈する。