クリスマスイブの夜、戦国武将と欧州の騎士、スーパー戦隊シリーズの姿をした5人が高田馬場の街を練り歩いた。
疲れてタクシーに乗り込む西洋甲冑の2人=高田馬場イブの夜に武人姿の5人が並んで練り歩き
高田馬場駅前の居酒屋「極ッ(ゴッツ) 高田馬場」(新宿区高田馬場2)店主の金澤和輝さんが、客として普段来店する近隣の飲食店仲間にお礼の気持ちを込めたあいさつ回りとして2014(平成26)年に始め、クリスマスイブの恒例となっている。今年の金澤さんは、大河ドラマなどでも使用された織田信長の甲冑(かっちゅう)姿で歩いた。
2022年には、「アタマオカシイ本屋」をキャッチフレーズにする「書泉」の社員で中世ヨーロッパなどに関する商品企画やイベント開催を手がける大内学さんが、中世ヨーロッパの騎士が使用していた武具や防具を忠実に再現した装備で同行。大内さんが当時、芳林堂書店高田馬場店で勤務していたことがきっかけになった。
昨年は大内さんが西洋剣術スクールの先輩を誘い、1490年モデルのプレートアーマーを身に着けた黒騎士が加わり3人に。今年は、新たに大内さんと黒騎士の知人が江戸時代の皮を主な材料とするリペアしたアンティーク甲冑姿で参加。昨年まで取材で同行していた高田馬場経済新聞の記者もスーパー戦隊シリーズのコスプレで参加し、5人の行列となった。
行く先々の飲食店では店主、店員や客から「人が増えていて、びっくりした」「来年は私も参加したい」などの声があったり、装備している甲冑や武具の説明、時代背景などの会話が繰り広げられたりした。
17時ごろに高田馬場駅前の芳林堂書店高田馬場店から出発し、諏訪通りから西早稲田、小滝橋交差点付近まで練り歩いた。装備により重量や歩幅、体力の消耗も異なるため、一時的にタクシーを利用したり、公園で休憩を取ったりしながら23時30分ごろに全行程を終えた。道中では記念撮影をしたり、行き違う人たちと「メリークリスマス」と声を掛け合ったりする様子が見られた。
大内さんは「来年も地元の飲食店や芳林堂書店を盛り上げていければ」、金澤さんは「始めて10年がたち、仲間が増えてうれしい。甲冑のことをお互いに話すこともできて、楽しい思い出になった」と話す。