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戸塚第三小学校で防災出前授業 早大防災教育支援会WASENDが地域と連携

戸塚第三小学校で活動した早大防災教育支援会WASENDのメンバー(左から片野さん、谷口さん、伊藤さん、齋藤さん、細田さん、宮城さん、森さん、伊藤さん、清水さん)

戸塚第三小学校で活動した早大防災教育支援会WASENDのメンバー(左から片野さん、谷口さん、伊藤さん、齋藤さん、細田さん、宮城さん、森さん、伊藤さん、清水さん)

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 早大防災教育支援会WASEND(以下、WASEND)が2月7日、戸塚第三小学校で小学3年生を対象に防災出前授業を行った。

マットなどを用いて火事への対処の仕方を実際に児童に体験してもらう

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 WASENDは国内外の小学生を対象に防災教育を行っているサークルで、2004年に発生したインドネシアのスマトラ沖地震を契機に設立。メンバーは現在約40人で、ほぼ全員が早稲田大学創造理工学部社会環境工学科の学生。

 小学校での防災教育活動はWASENDの主な活動の一つで、国内では東京や神奈川、四国などの小学校を訪れて防災授業を実施している。各地域にふさわしい授業が行えるよう、事前に現地調査をして講座を作成。津波や地滑りについて学ぶものや非常用持ち出し袋の中身の確認など数種類を用意する。ほかにも自治体の防災イベントへのブース出展や防災絵本の制作などを行い、より多くの人が防災に関する知識に触れられる機会をつくっている。

 今回の戸塚第三小での活動は、「戸塚地区 災害復興支援ネットワークを考える会」の取り組みの一環。同会は戸塚地域(戸塚地区町会連合会、戸塚地区協議会)、新宿区、早稲田大学の3者連携で2010年に行われた協働復興模擬訓練が契機となって発足。これまでに約40の団体や組織が参加している。WASENDとは2016年から連携し、戸塚第一小・第二小・第三小で毎年WASENDによる防災出前授業を実施してきた。

 今回の講座では体育館で火事についての講座を実施。紙芝居で火事の危険さと対策について学んだ後、マットや道具を用いて、服に火が付いたときの対処方法と煙がまん延している中での逃げ方を約25人の児童が体験した。その後、クイズ形式で児童とやり取りしたり、グループに分かれて防災に関する疑問に答えるフリートークをしたり、約1時間の授業は終始和やかな雰囲気と子どもの活気に包まれ進行した。

 WASEND代表の有西希海(のぞみ)さんは「地球規模で自然災害が増大する中、防災の意識を持つことは非常に大切。子どもの頃から防災への意識を定着させることで、人生に大きな影響を与えられる。防災教育を通じて、万が一将来災害が起こった際に、少しでも多くの人の命が助かることにつながれば」と話す。

 戸塚第三小学校の服部みどり校長は「地域と早稲田大学の方々の協力を得て3年前から防災出前授業を行っている。防災に関する一般的な啓発に加えて、授業の最後に各班に分かれて大学生と一緒に行うフリートークでは、近隣の具体的な場所が事例に上がり、実際に火災などが発生した際に児童自身がどう行動すればいいか考えるきっかけになっている。今後も地域一体となって防災への取り組みを行っていきたい」と話す。

 WASENDは3月4日に戸塚第一小学校でも防災授業を行う。

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