早稲田大学の学部卒業式、芸術学校卒業式および大学院学位授与式が早稲田アリーナ(新宿区戸山1)で3月25日、26日に開かれた。
本年度の卒業式などは、昨年12月に完成した多目的施設「早稲田アリーナ」で開かれる初めての公式行事。2014年度までは早稲田アリーナと同じ場所にあった「戸山キャンパス 記念会堂」で卒業式などが行われていたが、2015年度から2017年度の3年間は、早稲田アリーナへの建て替えに伴い、大学内の大隈講堂や小野記念講堂、教室などを会場に学部や研究科ごとに個別に実施していた。
本年度は2日間の午前午後、4回に分けて挙行され、4年ぶりに複数の学部、研究科が一堂に集う式典となった。各学部8708人、大学院の各研究科2736人、芸術学校41人の合計1万1485人(うち、海外からの留学生806人)が長年過ごした「早稲田の杜」を巣立った。
式典では学位記授与、卒業証書授与に続き、昨年11月に就任した田中愛治総長の式辞があった。卒業生に対するお祝いの言葉と今後何年かたったときに早稲田大学が世界でトップクラスの大学になるという決意、グローバルな視野で人類社会に貢献してほしいという卒業生への期待、早稲田大学建学の精神などを織り交ぜ、卒業生一人一人を見つめながら言葉を送った。
約10分にわたった式辞を「ぜひとも自分の学んだことに自信を持ち、やりがいのあると思うことに精力を傾けて、人生を切り開いていってください。卒業後も、時々は母校に帰ってきてください。その時には、今よりも輝いている早稲田で、今よりも輝いている皆さんとお会いしましょう」と締めた。
続くあいさつでは、萬代晃校友会代表幹事から早稲田大学の前身となる東京専門学校が初めて卒業生を送り出した翌年1885(明治18)年に校友会が設立されたことや、校友会の取り組みを紹介し、「皆さんにはいつも母校の仲間がいて、勇気づけてくれていることを忘れないでほしい。そしてゆくゆくは後輩や学生たちの力強い応援団としてご支援をいただければ。共に世界を、共に未来を」と締めた。
その後、学術、芸術、スポーツなどの分野で卓越した成果を上げ、学生の模範と認められる人に対して授与される「小野梓記念賞授与」が行われ、学術賞10人、スポーツ賞35人、4団体、特別賞2人に表彰状と記念品のメダルが贈呈された。最後に早稲田大学校歌と学生歌「早稲田の栄光」を斉唱し、閉式となった。
卒業式に参加した人間科学部人間情報科学科の勝賀瀬禎章(しょうがせともあき)さんは「中学高校とは違い、自分主体で動かなくては何も得ることはできないことに気付き、行動力が身に付き、成長できた4年間。できることは早稲田大学の中にいろいろあるので、学びが多い大学生活だった。4年間で学んだ行動力を生かし社会に貢献していきたい」と抱負を語った。