早稲田大学の4つのミュージアムを紹介する電飾ボードが3月22日、東京メトロ早稲田駅構内に設置された。
東京メトロ東西線・早稲田駅に掲示されている4つのミュージアムを紹介する電飾ボード
キャンパスそのものをミュージアム化することを目標の一つにしている早稲田大学。現在、キャンパス内には「坪内博士記念演劇博物館」「會津八一記念博物館」「早稲田大学歴史館」「早稲田スポーツミュージアム」のミュージアム4施設がある。
「坪内博士記念演劇博物館」は、アジアで唯一の演劇専門総合博物館で、坪内逍遙の古希と「シェイクスピア全集」の翻訳完成を記念して、1928(昭和3年)年に開館。国内外の演劇・映像関連資料を約100万点所蔵し、演劇講座イベントも多数開催している。現在はバリアフリー化のためのエレベーター設置工事中で9月27日まで休館している。
「會津八一記念博物館」は、會津八一コレクションを柱の一つとするほか、考古学の発掘資料、アイヌ民族資料、校友からの寄贈をはじめ、富岡重憲コレクションなど、多くの収集家のコレクションの寄贈を受けている。昨年5月に開館20周年を迎えた。3月末まで行われていた全面改修でグランドギャラリー(常設・企画大展示室)、近代美術展示室、會津八一記念コレクション展示室を新設。寄贈も多く受けており、現在収蔵品は約2万件近くに上る。
「早稲田大学歴史館」は、開学以来の早稲田大学の現在・過去・未来に関する情報や資料を、デジタル媒体なども活用しつつ展示する。早稲田グッズショップやカフェを併設し、単に展示を見て終わるだけでなく「いつでも立ち寄って楽しめるミュージアム」を目指しているという。
「早稲田スポーツミュージアム」は、3月20日にオープンした新しい施設。長い歴史を誇る「早稲田スポーツ」の栄光のシーンやエピソードを写真や映像で展示している。実際に競技で使用したユニホームなどもそろえる。体育各部の資料を交代で展示するコーナーもあり、来館する度に新たな発見があるよう工夫を凝らす。
早稲田駅構内の電飾ボードは、高田馬場駅方面の2番線ホームに早稲田スポーツミュージアムの開館を記念して設置された。施設の写真とともにミュージアムの簡単な所在地とオープン日などを記載している。
4つのミュージアムをより多くの人に知ってもらうため、5月20日~31日に「Museum Week 2019」を開催する。博物館を舞台にしたワードパズル、フォトスポットラリー、似顔絵体験などのイベントのほか、早大生によるライブやコンサートも行われる。「ミュージアムウィークTシャツ」をはじめとする限定オリジナルグッズも複数用意する。
早稲田大学文化企画課の武笠真結さんは「4つのミュージアムの電飾ボードは卒業式と入学式に間に合わせる形で掲出した。多くの人にご協力いただいたおかげで、卒業式に間に合い、卒業生や保護者に見ていただくことができた。この1カ月で反響も感じている。この一年間で新たにオープンしたり、リニューアルしたり、新しくなった早稲田大学のミュージアムに興味を持ってもらえるきっかけになるとうれしい」と話す。
電飾ボードのデザインを手掛けた早稲田大学OBで、地元メディア「ジモア」を運営するCOCOLONEの岡本匡弘社長は「早稲田大学OBとしても地元メディアを運営する身としても、今回の電飾看板のデザイン制作に携われたことはとても光栄に思う。学生の時には演劇博物館さえも入ったことがなかったが、卒業してから各ミュージアムを見学し、歴史ある大学だからこそ存在する貴重な資料や魅力的な企画展が数多くあることを知り、個人的にも時々訪れている。今回の早稲田駅の広告を通じて、在校生や卒業生、近隣の人にもっと4つのミュージアムの存在を知ってもらえるきっかけになれば」と話す。