早稲田大学(新宿区戸塚町1)で6月10日、「早稲田ボランティアウィーク」が始まった。
本年度からの新たな試みで、7つの学生ボランティアサークルが参加し、早稲田大学早稲田キャンパス内の教室などを会場に、さまざまなイベントを実施する。
主催は早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター(以下、WAVOC)。学生のボランティア活動の支援をしていた画家の平山郁夫の意志を受け、2002(平成14)年に設立された。専門分野を持つ教員、センター職員、学生スタッフが連携し、正課と課外のボランティアプログラムを展開し、学生のボランティア活動の支援などを行っている。
初日となる10日は、国外で活動している「ラオス学校建設教育支援プロジェクト ~スーン~」「Ju-Ju~カンボジア村びと共生プロジェクト~」の2団体によるトークセッション「国際ボランティアって何だ!?」を7号館202教室で開催。ボランティア活動の魅力、活動していたつらかったこと、国際ボランティアはどうあるべきかなどを話題提供した。隣接する7号館201教室では、2団体に加え日本とベトナムを拠点に手作りおもちゃワークショップなどの活動をする「Saopopo(サオポポ)」の活動紹介と展示も行った。
12日は3つの企画を用意。WAVOCが手掛ける「社会問題とボランティア2」の公開講座を開く。ホームレスの人に仕事を提供し自立を応援する事業「ビッグイシュー」から東京事務所所長の長崎知絵さんと路上生活経験者をゲストスピーカーとして招き、実体験などを聞く。ホームレスとその生活について理解を深めることが目的。会場は3号館401教室。開催時間は14時45分~16時15分。
ツバキなどの照葉樹林による防潮林ベルトの再生活動に取り組む学生サークル「三陸つばき」は「避難所(H)運営(U)ゲーム(G)」を行う。静岡県が開発した一般住民向けシミュレーション型の訓練で、ゲーム感覚で防災を学ぶことができる。会場は3号館606教室。開催時間は18時15分~20時15分。
「TABLE FOR TWO Waseda」は展覧会を開く。同団体は、途上国の飢餓問題と先進国の飽食問題の同時解決を目指すNPO法人「TABLE FOR TWO International(TFT)」の早稲田支部。学食とのコラボメニューやイベント企画を考え、食糧問題の解決に取り組んでいる。会場は7号館208教室。開催時間は10時40分~12時10分。
13日は2つの企画を用意。「WASEDA地域応援ネットワーク」の「いすみっこ」「いぐべおぐに」「狩り部」の3団体が、地域についての理解を深めるためにダーツを用いたゲーム「日本全国ダーツの旅」を行う。「いすみっこ」は千葉県いすみ市で、「いぐべおぐに」は山形県小国町で、「狩り部」は千葉県鴨川市と山梨県丹波山村を中心にそれぞれ活動している。会場は3号館202教室・203教室。開催時間は12時10分~14時30分。
マレーシアのコタキナバルで子どもたちへの教育支援を行う団体「ボルネオプロジェクト」は、活動中に浮かんだ疑問についての問題提起する「#教育#支援#不法移民、『しあわせ』の先にあったもの」を開く。同団体は年に2回、3週間ほど現地で活動し、フィリピンからマレーシアに渡ってきた不法移民の子どもたちを支援している。会場は7号館201教室。開催時間は14時45分~16時15分。
最終日となる14日は、WAVOCが主催する「ボランティアプレゼンコンテスト2019」の本選が行われる。早稲田大学中央図書館(西早稲田1)にある国際会議場で、国内外で活動する学生ボランティア団体がテーマに基づいてプレゼンテーションを行う。2006(平成18)年から取り組む同コンテストには、早稲田大学の寄付会員制度「WASEDAサポーターズ倶楽部」が総額100万円の活動奨励金を寄付しており、ボランティア活動に取り組む学生を支援する。今年のテーマは「キミは何を“みた”のか?~求む!キミたちのボランティア論~」。25団体が参加した5月26日の予選で勝ち抜いた上位4団体が出場する。開催時間は14時45分~16時15分。
WAVOCの岩井雪乃准教授は「早稲田大学では、学生ボランティア活動への支援を積極的に行っており、WAVOCのプログラムには毎年延べ約1万人の参加がある。さらに多くの早大生にボランティア活動へ関心を持ってもらえるよう、新たに『早稲田ボランティアウィーク』に取り組むことにした。幅広いボランティア活動に取り組む学生たちが、日頃の活動成果と熱い思いを発表する場。多くの人にお越しいただければ」と呼び掛ける。
入場無料。今月14日まで。