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西早稲田の老舗酒販店、閉店取りやめ営業継続へ 元バイト早大生OBが居酒屋開店

「もちだ酒店」の店頭で(左から、清武大貴(きよたけだいき)さん、上野真さん、新屋有美さん)

「もちだ酒店」の店頭で(左から、清武大貴(きよたけだいき)さん、上野真さん、新屋有美さん)

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戦前から続く西早稲田の「もちだ酒店」(新宿区西早・稲田3)の閉店を知った元アルバイト学生の清武大貴(きよたけだいき)さんらが、同店の元倉庫を借り受け、10月19日「居酒屋もちだ」をオープンし、閉店から一転、店を続けることになった。

早稲田大学男子チアリーディングチーム「SHOCKERS(ショッカーズ)」ユニフォーム姿の清武大貴(きよたけだいき)さん、上野真さん

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 もちだ酒店は、店主の望田健二さんが西早稲田商店会の商店会長を務め、望田さん夫婦の人柄もあり、地域住民や学生たちが集う西早稲田のコミュニティーの一つの核としても機能。今回、新たにオープンする居酒屋の店主となる清武さんは、早稲田大学入学を機に福岡から上京し、同店で配達のアルバイトをしていた同期の友人、上野真さんに誘われて一緒に働くことに。以来、清武さん、上野さんが所属する早稲田大学男子チアリーディングチーム「SHOCKERS(ショッカーズ)」のメンバーが代々、アルバイトを引き継いできた。清武さん自身も社会人になってからも頻繁に顔を出すなど、OBのたまり場ともなっていた。

 「もちだ酒店を通じて、早大の応援部や野球部の人たちとのつながりができたことで、当時まだ学内での認知度も低かったSHOCKERSが、早慶戦で演技ができるようにもなった。学内だけでなく、商店街の人や地域に住む人たちとも、昔ながらのご近所付き合いをするように親しくなれた。もちだ酒店を中心に早稲田の街が上京後の私を育ててくれた」と、清武さんは振り返る。

 いずれは飲食店を開きたいと考えていた清武さんは、育ててくれた早稲田の街への恩返しがしたいという思いから、予定より前倒しで同店での飲食店開業を決意する。話を聞いた望田さんは店を貸すことを快諾、さらに廃業に向かっていた酒販店の閉店も取りやめ営業を続けることに。

 居酒屋は店の奥の倉庫だった場所を改装。費用は、地元信用金庫からの借入とクラウドファンディングで賄う。 

 居酒屋は、運営メンバー8人で立ち上げ営業する。清武さんをはじめ全てのメンバーが、ホテル、金融機関、広告代理店などで勤務しながら現職での経験を生かして副業で店を運営する。オープン当初は、金曜~日曜の週3日営業。早慶戦をはじめスポーツ観戦などさまざまなイベントも企画するという。

 「私にとっても、早稲田の街にとっても大切な場所が失われてしまうという事実を前にして、毎日のように多くの人で賑(にぎ)わっていた店内を思い浮かべた。これまで自分を育ててくれた店に恩返しがしたい、早稲田の街をもっと盛り上げたい。かつてもちだ酒店が担っていた地域の核としての役割を果たせるよう、思いを共有する仲間と立ち上げたこのプロジェクトを成功させたい」と決意を語る。

 設備・運転資金を募るクラウドファンディングは、All-In方式で10月15日まで。

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