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早大でシンポジウム「村上春樹と国際文学」 舞台「海辺のカフカ」特別上演も

シンポジウム「村上春樹と国際文学」パネルディスカッションの様子(提供:早稲田大学)

シンポジウム「村上春樹と国際文学」パネルディスカッションの様子(提供:早稲田大学)

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 シンポジウム「村上春樹と国際文学」が11月28日、早稲田大学国際会議場井深大記念ホール(西早稲田1)で開催された。

シンポジウム「村上春樹と国際文学」 舞台「海辺のカフカ」アフタートーク

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 2021年4月オープン予定の「国際文学館(村上春樹ライブラリー)」キックオフイベントの一環。シンポジウムは舞台上演とパネルディスカッションの2部構成で展開。第1部は村上春樹の世界を演出家の蜷川幸雄さんが表現した舞台「海辺のカフカ」の特別上演。村上ワールドを象徴する「猫」が登場する有名な場面を、初演から全てのステージで「ナカタ」役を務める木場勝己さんらが一夜限りで演じた後、村上さんの30年来の担当という新潮社の寺島哲也さんを聞き手に木場さんによるアフタートークを行った。

 第2部は「村上春樹と『翻訳』」をテーマにしたパネルディスカッション。アメリカ文学研究者で翻訳家の柴田元幸さんの司会で、小説家・詩人の川上未映子さん、カリフォルニア大学教授のマイケル・エメリックさん、作家で早稲田大学教授の辛島デイヴィッドさんが村上春樹を巡る議論を繰り広げた。

 定員400人の会場は事前申し込みで満席となり、学内14号館201教室に同時中継会場を設置する人気を集めた。

 村上さんは1975(昭和50)年、早稲田大学第一文学部を卒業。在学中にオープンしたジャズ喫茶「ピーター・キャット」を経営しながら、小説を書き始めた。1981(昭和56)年に専業作家になることを決意し、同店を閉店。以来多数の作品を執筆、その多くが翻訳され世界中で親しまれている。同時にフィッツジェラルドやチャンドラー作品などの翻訳も行っている。

 国際文学館は、小説の生原稿、執筆関連資料、海外で翻訳された書籍、収集した数万枚のレコードなどが村上さんから寄託・寄贈されることをきっかけに、現在「早稲田大学坪内博士記念演劇博物館(通称=エンパク)」隣にある4号館を改修して建設する。村上さんが在学中に通ったというエンパクに並んで、世界中の村上文学、翻訳文学の研究者が集まる場所を目指す。

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