ウェブサイト「パンタポルタ」が「パンタポルタ祭 中世ヨーロッパクリスマス食事会」を芳林堂書店高田馬場店(新宿区高田馬場1、TEL 03-3208-0241)で12月7日に開催し、約50人が参加した。
「パンタポルタ祭 中世ヨーロッパクリスマス食事会」で乾杯をする様子
パンタポルタは「ファンタジーの魅力を多くの人に届けたい」という思いで、ファンタジー関連の資料書籍を刊行する新紀元社が2017(平成29)年に立ち上げたウェブサイト。「パンタポルタ」とはラテン語で「幻想」を意味する「phantasia」と、「扉」を意味する「porta」を組み合わせた造語。
新紀元社が2018(平成30)年に刊行したレシピ本「中世ヨーロッパのレシピ」の著者・繻鳳花(しゅほうか)さんが当時の料理をアレンジして提供する今回のイベント。繻さんは主に中世ヨーロッパ時代にあった料理・舞踏の再現、アレンジを施した料理レシピ研究を中心に活動するコストマリー事務局の主宰。ゲストには、神戸を拠点に活動するゲームデザイナー・作家集団「グループSNE」に所属し、料理描写に定評があるという作家のベーテ・有理・黒崎(ベーて・ゆーり・くろさき)さんを迎えた。
イベントではまず2人によるトークが行われ、「中世のクリスマスの食事」「フィンガーボール」「羊皮紙」「中世の衣装」「中世のクリスマスの過ごし方」のなどテーマを中心に、司会を務めた芳林堂書店高田馬場店の大内学さんを含めながら話題を提供した。
続く食事会では、「中世ヨーロッパのレシピ」で紹介されているメニューから数品を提供。「ヒポクラテスの袖(ノンアルコール版)」が用意され、世界各国の歴史料理を再現するプロジェクト「音食紀行」の遠藤雅司さんが乾杯の発声を行った。「ホロホロ鳥の蒸し煮」「アスパラガスのサラダ・北方の魚添え」を、「中世欧州の肉料理」(コストマリー事務局)のメニューからも牛ほほ肉を使った「牛肉のシチュー」を順番に提供。デザートとして「祝福のリンゴのタルト」を用意した。いずれも自宅で再現できるよう、購入しやすい身近な食材を使ったという。
会場内には、新紀元社の書籍のほか、音食紀行とコストマリー事務局の同人誌の販売、羊皮紙の展示やレターセットなどの販売も行った。中世風の衣装やドレスを着用して参加できるように更衣室を用意。当日は数人の参加者が衣装を持参し、それぞれのドレスで食事会に出席し、再現された中世ヨーロッパの料理を楽しんだ。
イベントと連動して、芳林堂書店高田馬場店4階売り場の隣にあるカフェ「ルーカスファームカフェ」では、「中世ヨーロッパのレシピ」とのコラボメニュー「ラムズウール」(480円)、「ブリータルト」(420円)の2品を提供。「ラムズウール」は貴族から庶民にまで親しまれていたというホットドリンクで、ノンアルコールのアップルサイダーを用いて再現する。「ブリータルト」は15世紀前後のイングランドの王宮料理として記録に残っているチーズを用いたタルト。
大内さんは「高田馬場はモンゴル料理をはじめ海外の料理の飲食店が多かったり、語学学校が多かったり、外国人の多いエリア。また、海外のコンテンツであるウォーハンマーやシタデルカラーを販売する『ウォーハンマーストア高田馬場』が、さらに目白にはアーマードバトルなどヨーロッパ中世武術を中心に展開する『キャッスル・ティンタジェル』が立地している。あまり知られていないが、多様な歴史文化があり、ゲームなどのコンテンツが交錯するエリア。そのような高田馬場・目白エリアの文化的交流が促進されるよう、今後も取り組んでいきたい」と意気込む。
「ルーカスファームカフェ」の営業時間は10時~20時。コラボメニューの提供は今月26日まで。