高田馬場駅前ロータリー(新宿区高田馬場1)を清掃する早稲田大学の学生サークル「ロータリーの会」が活動を始めて1カ月がたった。
「ロータリーの会」が2月10日に高田馬場駅前ロータリーを掃除して集めたゴミ
高田馬場駅前ロータリーは毎夜、若者を中心に多くの人が集まり談笑するのが風物詩。一方で、朝になると空き缶やビニール袋など、一部の利用者のごみが散乱しており、そのことを問題視する声もある。新宿区役所から委託された清掃員、ドン・キホーテ高田馬場駅前店の店員や近隣住民が負担し清掃することで、日中の美化が保たれてきた。
「ロータリーの会」は、早大生の新井国憲さんが、早稲田大学陸上競技同好会の後輩である高橋永遠(とわ)さんに声を掛け立ち上げた。1月10日から、日曜を除く毎日7時30分ごろからロータリーの清掃を行っている。これまで約100袋のごみを集めた。清掃員や近隣住民から差し入れをもらったり、感謝されたり、少しずつ反応が出てきているという。
サークル発足のきっかけは、代表の新井さんが昨年末に東京から実家のある福岡まで22日間かけて徒歩で帰ったこと。「田舎道や山道を歩いていると、繁華街と違い清掃する人がいないので、想像以上にポイ捨てされていて、ごみがそのままになっていた」という。そのことに驚き、自身も利用していた高田馬場駅前ロータリーを、利用者の意識を変えることできれいにしたいと思ったという。
これまでの1カ月は主に新井さんと高橋さんの2人で活動してきた。友人や知り合いが手伝ってくれることもあるという。回収するごみ袋は自費で購入。拾い集めたごみは分別し、新宿区役所から委託された清掃員の協力で回収してもらっている。活動当初は全てのごみを回収するまで1時間以上かかっていたが、だんだんと効率も良くなってきたという。
ロータリーの利用者は早大生だけではないが、早大生も多く利用していることに着目。新井さんは「早大生が変われば他の利用者も変わると思う。ロータリーだったらごみを捨てて良いという早大生の潜在意識を変えることが必要で、そんな当たり前のことを早く気付いてもらえるように今後も活動していきたい」と意気込む。
「実際のところ、ロータリーの利用者は早大生だけではないので、ごみをゼロにすることは難しいかもしれない。でも一人一人の意識が変わり、みんながごみを持ち帰るようになれば、ロータリーの風景が変わるかもしれない。高田馬場駅前のロータリーの利用者だという自覚のある人、ロータリーが好きだという人、早大生や早大のインカレに入っている人などに協力してもらえるとうれしい」と呼び掛ける。
現在は早大の非公認サークルだが、公認サークルを目指している。