早稲田大学(新宿区戸塚町1)が2020年度春学期の授業を原則としてオンラインで行うことを4月1日に発表した。
早稲田キャンパスに設置されている「Waseda Moodle」の看板
早稲田大学は、他大学に先駆け「2019年度卒業式・大学院学位授与式」「2020年度入学式」の中止を2月27日に発表。授業開始日も4月20日以降としていたが、5月11日に繰り下げると3月24日に発表していた。学生に対しても授業開始日の前日まで課外活動などの自粛を求めている。
授業開始日を4月20日以降にすると発表した3月上旬のタイミングからオンラインでの授業の可能性を検討し始めた。科目により準備状況は異なり、3月から準備していた科目もあれば、これから準備する科目もあるという。
「本来は、学生の皆さんと顔を合わせて授業する機会があることが望ましい」(早大)としつつも、新型コロナウイルス感染拡大の状況の悪化、先行きの不透明感、外出禁止を要請する「緊急事態宣言」発令の可能性、帰国できない新入生と在学生がいることなどから、授業のオンライン化に踏み切った。「国際連合のSDGsの『No one will be left behind.(誰一人取り残さない)』の理念に沿って、できる限り多くの学生が教育を受ける機会を持てるように、努力すべきだと考えている」とも。
オンライン授業は「講義資料・課題提示による授業」「収録内容オンデマンド配信による授業」「リアルタイム配信による授業」の3種類を用意。本年度から導入した授業支援システム「Waseda Moodle(ワセダムードル)」を利用する。学生にはPC、タブレット、スマートフォンなどのインターネットが使用できる端末とカメラ、マイク、イヤホンなどの用意を呼び掛けている。
オンライン授業の開始に向けて、「Waseda Moodle」にライブ配信ができる機能、教員と学生がオンライン上で双方向のやり取りができる機能などを授業で新たに使えるようにした。教育・学修支援ならびにIT利用支援のワンストップサービスを提供する「CTLT(Center for Teaching, Learning and Technology)」を早稲田キャンパスに4月1日、オープン。対面に加え、メール、オンラインシステムで相談、講習会などを実施し、オンライン授業に備える。
早大では「いつどの場所で授業を受けるか、移動をするべきか今の場所にとどまるべきかなどを、冷静に判断し、かつ適切に行動するように」と呼び掛けている。