早稲田大学校友会が、10月に開催予定だった「2020稲門祭」「ホームカミングデー」を新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止すると5月22日、発表した。
「稲門祭」は、同大卒業生の同窓会組織「早稲田大学校友会」が公認する稲門祭実行委員会が企画運営する「校友会最大の祭典」。毎年、早大の創立記念日である10月21日前後の日曜に開催している。稲門祭当日には、卒業後15年目・25年目・35年目・45年目・50年目の節目を迎える卒業生を招待する「ホームカミングデー」も同時開催している。
昨年の「稲門祭」では、校友会支部・登録稲門会、年次稲門会、学生団体など100を越える模擬店が出店。各界の著名人を招いたトークショーや同大収蔵品の公開などの企画、現役早大生によるイベントやパフォーマンスなどが行われ、「約1.5万人が来場した」(早大校友会)という。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、同大校友会は2月25日以降、校友会・稲門会活動について、各支部に中止・延期するように要請していた。各キャンパスの立ち入り禁止措置に伴い、4月8日以降は校友課・校友会事務局も閉室している。
「稲門祭」の開催については、3月から情報収集、検討を始めた。「新規感染者数は減少しているが、多数の来場者があること、高齢の方も多いことから、慎重を期して苦渋の決断をした」という。早大校友会には、中止を惜しむ声や「今年はやむを得ないだろう」という声が寄せられた。「稲門祭の中止は初めてのこと」(早大校友会)という。
早大校友会事務局長の三木省吾さんは「『稲門祭』は、多くの方、団体のご協力で成り立っている。残念ながら、今年は中止と決定したが、来年は開催したいと考えているので、今年を充電期間としてじっくりと練り上げて、来年大いに盛り上がるであろう『稲門祭』を楽しみにしていただければ」と話す。
「『稲門祭』の収益は全て学生の奨学金の寄付になっており、収益の柱である『稲門祭記念品』は引き続き販売を行う予定。経済的困窮の学生を支援する「緊急支援金」への寄付も受け付けている。皆さまの温かい理解と力強い継続的な支援をお願いできれば」と呼び掛ける。
今年ホームカミングデーに招待予定だった卒業生は、来年参加できるようにする。