早稲田大学が今後の行事や来年の入学試験、秋学期の授業の実施方法、夏休みの過ごし方などについての方針を、7月31日と8月2日に発表した。
9月に入学をする学部生、院生を対象に9月21日に入学式を行う。入学式の参加は新入生本人に限定し、式典に参加できない新入生などには式典の映像のライブ配信を予定している。密な環境が生じることが想定されることから、式典当日のサークルなどの新歓活動は禁止する。進行は英語で行う。
9月に卒業する学部生、院生を対象に9月20日に学部卒業式、大学院学位授与式を行う。昨年9月26日~今年3月5日までに博士学位を取得した人を対象に「博士学位授与式」を9月21日に行う。卒業式、学位授与式が中止となった2020年3月の卒業生・修了生は事前に申し込みを行うことで、式典に参加ができる。参加は卒業生・修了生本人に限定し、式典に参加できない卒業生などには式典の映像のライブ配信を予定している。
入学式、卒業式、学位授与式の実施に際して、感染防止策を徹底する。新型コロナウイルス感染症拡大の状況により、9月上旬に実施するか中止するかの最終決定を早稲田大学の公式サイトで発表する。実施する場合でも、式典の内容を変更・縮小する可能性もある。
年明けに予定している2021年度一般入試では、新型コロナウイルスに罹患(りかん)した受験生を対象に追試験として「特例措置」を設けるほか、一部の学部で合格者発表日を変更する。「大学入学共通テスト」を特例追試験で受験した人のために合格者発表日を追加する。当日の試験は、「文部科学省のガイドラインに従って、適切な感染症対策を実施する予定」という。2021年度入試に変更や追加が生じた場合は、早稲田大学入学センターの公式サイトで公表する。
サークルなどの対面を伴う学生の課外活動は、条件付きで8月2日より再開した。秋学期はオンライン授業を継続しながら、一部対面授業の再開を予定している。大人数が受講する講義科目はオンラインを原則とするが、授業の前後の学生同士の会話の場の必要性も考慮し、部分的に対面授業を再開する。
海外や地方にいる学生、障がいがあったり、体が弱かったり、病気がちだったりなどの学生・教員の状況も考慮。「誰一人取り残さない」方針の下、オンライン授業の役割に言及。早大関係者全員が他者に寛容になる必要性を訴え、他者との違いを洞察する「しなやかな感性」の養成を呼び掛ける。
新型コロナウイルス感染症がさらに拡大した場合には全ての授業をオンラインに切り替えることも示唆。その上で学生に対し、秋学期で一部対面授業を再開するために、夏休み期間中、引き続き感染を防ぐように心掛けて過ごしてほしいと呼び掛けた。
(9月1日追記)早稲田大学は、新型コロナウイルスの感染状況をふまえ「2020年度9月学部卒業式、芸術学校卒業式および大学院修了式」「2020年度学部入学式、大学院入学式」は動画配信で実施すると発表した。