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3Dデザインのはんこ「ダイス」、高田馬場のはんこ店「吉報堂」が考案

はんこ屋 吉報堂のみなさん

はんこ屋 吉報堂のみなさん

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 「吉報堂」(豊島区高田3、TEL 03-3980-0235)が、三次元要素を取り入れた印影を持つ「3Dはんこ ダイス」の販売を開始した。サイコロをモチーフにした立方体側面に名前を配置し、錯覚で立体のように浮き上がって見えるデザインは例がないという。

はんこ屋 吉報堂の小嶋茂男社長

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 同社は、1970(昭和45)年創業。創業者で先代の木村瀞社長の意思を受け継ぎ、社員だった小嶋茂男さんが先代の死後、2010(平成22)年、「新宿アート・吉報堂」から社名を「吉報堂」として事業を継承。

 これまで、新元号「令和」と旧元号「平成」の取り消し線が一度に押せる新元号ゴム印をはじめとするアイデア商品を次々と開発し、東日本大震災時には認め印を避難所で無償配布し近年の災害に対する支援活動など、はんこ・ゴム印を通して世情に寄り添った商品開発や事業を行ってきた。

 小嶋茂男社長は、同社の取り組みについて「先代から、『吉報堂』の名を残こしてくれ、その名を全国に知らしめてくれ、後継者を育てなさい、この三つができるなら会社を譲ると言われた。亡くなる半年くらい前だった。その言葉がずっと頭の中にある。先代は、これからはコンピューターの時代だと言って、いち早くパソコンを使い始めるほど新しい物好きだった」と振り返る。

 開発のきっかけは、同社社員のリンさんからの提案。「スマートフォンで使っているルート検索アプリのアイコンが、サイコロの形をしているのをヒントに、こんな感じの立体的に見えるはんこを作ったらどうか」ということから。提案を受けて社内で検討し、最終的に彫刻デザインを担当する荻原由華子さんがデザインを起こして商品化まで3カ月を費やした。

 「3Dはんこ ダイス」は、木製の「柘タイプ」(7,680円~)、アクリル製の「クリスタルタイプ」(2,850円)、チタン製の「チタンタイプ」(1万8,880円~)の3タイプ。書体は、古印体と篆書体の2種類。

 小嶋さんは「コロナ禍で、『はんこ文化』の弊害が取り沙汰されることが多くなってきたが、『はんこ文化』がなくなることについては、それはそれでいいと思っている。仕事をしていて日々思うことは、人生は決して不公平にはできていないということ。このコロナ禍で苦しみに耐えて頑張った人には必ずいいことがやってくる。苦労は貯金みたいなものだと思っている。自社のはんこやスタンプから頑張って乗り越えていこうというメッセージが伝われば」とほほ笑む。

 営業時間9時~18時。土曜・日曜定休。

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