早大の起業家教育プログラム出身のベンチャー企業「ELternal（エルターナル）」（新宿区西早稲田1）が、早稲田大学専用ファンド（以下、早稲田ファンド）から3,000万円の資金調達を実施すると、12月4日発表した。

早大・大隈記念講堂の前に立つ「ELternal」（エルターナル）」の皆さん

　「ELternal」は、早稲田大学大学院経営管理研究科および同大学院先進理工学科のメンバーを中心に、「WASEDA-EDGE人材育成プログラム」を経て2020年7月に創業。創業メンバーに寺院出身者・現役僧侶が複数参画していることも特徴。「日本に、感動を。」をミッションに事業開発を進めている。

　寺院や神社が密接に関わる日本に暮らす人が抱える課題、地域が抱える課題、寺院や神社そのものが抱える課題を解決するために、寺社仏閣コンサルティング事業、地域創生事業、納骨堂事業などに取り組む。全国の寺院・神社・自治体との協力や、最新のテクノロジーを適切な形で利活用し、実現を目指すという。年明けにはサービスをローンチ予定。

　早稲田ファンドは、「早稲田大学に関係するベンチャー企業」への出資を行い、早稲田の地からグローバルに成長するベンチャー企業を多数創出することを目的に組成。銘柄選定・運用・管理は早稲田大学と連携するベンチャーキャピタル「ウエルインベストメント」が行う。

　早稲田ファンドでは、人工靭帯の製品化に取り組む「CoreTissue BioEngineering（コアティッシュバイオエンジニアリング）」、海外スタートアップに特化した情報プラットフォームを提供する「Zuva（ズウバ）」、スマートミラーによるトレーニングを提供する「ミラーフィット」に出資を行っている。「ELternal」は、起業家教育プログラム出身企業に対する一号案件になる。

　CEOの小久保隆泰さんは「早稲田大学内で誕生した早稲田大学出身者と僧侶（寺）という、他に例を見ない異色のソーシャルベンチャー。我々にしかできない社会課題解決があると思っている。『寺社仏閣を使った観光資源開発』『全く新しいお墓のサービス』の2つの事業を武器に社会課題の解決に取り組むことを通じて日本社会の活性化に貢献していきたい」と話す。

　取締役CFOの宇佐見彰太さんは「まだまだこれから。本丸である社会課題の解決に向けて、素晴らしい仲間がもっと集まってくれて活躍できる会社にできるよう努力していければ」と意気込む。