新宿区が石川啄木などの文化人をメインキャラクターとするテレビアニメーション「啄木鳥探偵處(きつつきたんていどころ)」とタイアップして漱石山房記念館(新宿区早稲田南町7、TEL 03-3205-0209)など区内5カ所を巡るデジタルスタンプラリーを現在、開催している。
漱石山房記念館の等身大パネル(担当した声優のサインが入っている)
「啄木鳥探偵處」は、石川啄木がある事件をきっかけに探偵稼業を始めるという設定。原作の伊井圭さんによる同名小説(創元推理文庫刊)は、第3回創元推理短編賞受賞。作品には、夏目漱石や芥川龍之介といった区にゆかりのある文豪たちが登場する。
新宿区は2018(平成30)年度より、漫画、アニメーション、ゲーム作品などとタイアップして区内文化施設を巡るスタンプラリーの開催を継続してきた。2019年度は期間中、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため各館を臨時休館にしたことに伴いスタンプラリーの開期を縮小するなどの対応を行った。
2020年度はコロナ禍の中での開催を踏まえ、スマートフォンでQRコードを読み込む初の非接触デジタルスタンプラリーとしたほか、各施設内での感染予防対策および参加者への予防協力の呼び掛けを徹底して行う。
参加施設は、漱石山房記念館、新宿歴史博物館、林芙美子記念館、佐伯祐三アトリエ記念館、中村彝(つね)アトリエ記念館の5施設。各館でQRコードを読み取りスタンプを収得すると、キャラクター原案の佐々木郁さんによる描き下ろしイラスト入りオリジナルポストカードと引き換えることができる。5施設全てのスタンプ収得者にはマスクケースを進呈する。
期間中、漱石山房記念館・新宿歴史博物館では、各登場人物を演じる声優のサイン入りのキャラクターの等身パネルを展示。漱石山房記念館内「カフェソウセキ」では、カフェのレシート1枚につき、オリジナル紙製ブックカバー1枚と引き換える。
施設を所管する新宿区文化観光課の担当者は「アニメーションを通して区にゆかりのある文化人を知っていただくことで、区内の文化施設を訪れてもらうきっかけづくりとして開催している。本年度はコロナ禍の中で、安全に施設巡りを楽しんでいただくため、各施設の感染防止対策はもとより、参加者の皆さんにも体調が優れない場合は控えていただくことやマスクの着用を呼び掛けながらの開催。開催期間は長いので、無理のないペースで楽しんでいただければ」と呼び掛ける。