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高田馬場駅前「VISION WALL」に戸二小のプロジェクト 地域の魅力発信、大正製薬も協力

高田馬場駅前の「大正製薬VISION WALL」と戸塚第二小学校6年1組の皆さん(2つのピースで「VISION WALL」をイメージしている)

高田馬場駅前の「大正製薬VISION WALL」と戸塚第二小学校6年1組の皆さん(2つのピースで「VISION WALL」をイメージしている)

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 西武新宿線高田馬場駅の早稲田口にある屋外LEDビジョン「大正製薬VISION WALL」で、新宿区立戸塚第二小学校(新宿区高田馬場1)6年1組の「高田馬場活性化プロジェクト」の動画が放映されている。

「大正製薬VISION WALL」で放映されている戸塚第二小学校6年1組の児童たちが作成したスライド その1

 「高田馬場活性化プロジェクト」は戸塚第二小学校6年1組の児童による高田馬場の街の魅力と環境美化の大切さを発信するプロジェクト。「自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てる」(文部科学省)ことを目的とする科目「総合的な学習の時間」で取り組んでいる。

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 6年1組担任の鈴木勝一朗さんは「今年はコロナ禍ということもあり、行事も全て無くなってしまった。最高学年の彼らに何が残せるのか、彼らの力の何を伸ばすかということを考え続けてきた。小学校で得た知識や技能を使って、団結力も含め、社会貢献や地域のために何かできることがあるのではないか。それを探求するには『総合的な学習の時間』が最適だった」と話す。

 プロジェクトは本年度の「総合的な学習の時間」が始まった7月にスタート。3年生では自主研究を、4年生では障がいやバリアフリーなど福祉のことを、5年生では環境などをテーマに学習をしてきた。これまでの学習で身に付いた力を振り返り、今年はどのような力を身に付けたいかなどを切り口に児童が中心となって課題設定を行い、「地域活性化」をテーマとした。

 8月には街の人の声を聞くためアンケートを作成し、実施。保護者や地域に関わる人などから約150の回答を得た。アンケートの結果から地域の改善点が絞り込まれ、自分たちにできることとして「街の魅力を発信すること」「街の美化」に取り組むことにした。9月には、発信と清掃について思考ツールの「PMIシート」を作成し、いいところ、駄目なところ、面白いところを抽出。次のステップとして、街で活動する人たちから話を聞くことにした。

 9月下旬から10月中旬にかけ、「スクールコーディネーター」で写真店を営む吉鶴志朗さん、「高田馬場新聞」の編集長・向井直也さん、高田馬場駅前ロータリーを清掃している早大のサークル「早稲田大学 ロータリーの会」の代表・新井国憲さんら5人をそれぞれ授業に招き、取り組む活動などの話を聞いた。10月下旬には「地域活性化プロジェクト」の第1弾として、「ロータリーの会」や向井さん、保護者、地域の人たちと共に清掃活動を行った。

 その後、高田馬場の魅力について研究。日本語学校や海外の料理を提供する飲食店が多いことなどに注目。実際に飲食店を取材したり、向井さんからアドバイスを受けたりし、情報発信のためのパンフレットやポスターの制作も進めてきた。そんな中、児童の1人が「高田馬場駅前の『大正製薬VISION WALL』で動画を流せたらいいのに」とつぶやいたことをきっかけに、鈴木さんが大正製薬に連絡。

 コロナ禍であること、「大正製薬VISION WALL」から一番近い小学校であること、児童たちの熱意が感じられたことなどから、大正製薬から協力が得られ、今回に限り特別に放映されることになった。動画の内容も向井さんからアドバイスをもらいながら、児童が話し合いながら構成を練り、動画のスライドやロゴなど制作。約30秒の動画にまとめた。多文化な高田馬場の魅力を伝え、そんな街でのポイ捨てをやめて、「みんなの街を、みんなできれいに」と訴えている。

 戸塚第二小学校6年1組の渋谷りなさんは「今まで『私たちの街をよりよくしたい』といった思いで、地域活性化をテーマとして取り組んできた。新型コロナウイルス感染拡大により活動が制限される中、大正製薬さんや高田馬場新聞さん、早稲田大学ロータリーの会さんなどのご協力もあり、全力で行動することができた。この活動を通して、高田馬場の魅力を多くの人に知ってもらい、地域に貢献できたらいいなと思う」と話す。

 同・安藤玲一さんは「大正製薬さんにビジョンウォールの使用許可をもらったときはうれしかった。駅前で放映するため、多くの人々に『街の美化に協力してほしい』『もっと魅力を知ってほしい』といった僕たちの思いが伝わるよう、クラスで話し合いを重ね、スライドを作った。自分たちの活動を通して、高田馬場がもっと明るい街になってほしい」と話す。

 鈴木さんは「『地域をよりよくするため、自分たちにできることは何か』を考え、児童が導き出した最適解は「街をきれいにすること」と「街の魅力を広めること」の2つ。『街ゆく人々を笑顔にしたい』といった願いを胸に、実社会の問題を地域の多様な方々と協働して解決に取り組む姿には、何度も心を打たれた。周りへの感謝を忘れない限り、今回の学びを『生きる力』に変えた児童は、よりよい未来を開いてくれると信じている」と児童にエールを送った。

 「高田馬場活性化プロジェクト」の動画の放映は2月28日まで。放映時間は7時~15時。