早稲田大学が「2020年度学部卒業式、芸術学校卒業式および大学院学位授与式」「2021年度学部入学式、大学院入学式」を開催すると3月15日、発表した。
初めて早稲田アリーナで実施した2019(平成31)年の卒業式の様子
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、昨年3月の卒業式、4月の入学式は中止になった。9月の卒業式は当初実施予定だったが、感染状況を踏まえ、式典の出席者を2020年9月卒業・修了の各学部・研究科および芸術学校の代表、副代表のみに変更し実施していた。
1月5日、6日に、早大は田中愛治総長のメッセージ「緊急事態宣言の発出に際して」と「早稲田大学への受験を考えている方々へ」をそれぞれ公開。緊急事態宣言が発出された場合でも学期末までの授業と入試を予定通り行うとしていた。
緊急事態宣言で研究教育機関が対象から外される可能性が高いこと、教室の空調設備に投資し1時間1人当たり30立方メートル換気できるようにしたこと、教室収容人数の約2分の1以下にしていることから判断したという。
2月26日には、式典の開催回数と開催時刻を変更し、各回の参加人数が分散するよう調整することを発表。最終的に実施するかは3月上旬に発表するとしていた。そのような経緯もあり、今年の卒業式、入学式がどうなるか多くの人の注目を集めていた。
卒業式は3月25日、26日の2日間開催。各回の所要時間は35~45分程度としており、1日に3回ずつ行う。入学式も4月1日、2日の2日間。各回の所要時間は45分程度としており、1日に3回ずつ行う。いずれも例年は1日2回に分けての実施だった。回数を増やすことで、席の間隔を広く取るなどの対策が取られることが予想される。
2020年4月および9月の入学者については、昨年9月にライブ配信の入学式を行っていたが、早稲田アリーナを使用しての式典を実施できていなかった。「改めて教職員一同より、皆さまに対するお祝いの機会を設けるべく、対面での入学式を実施する」(早大)という。4月3日に早稲田アリーナで開催する。
いずれの式典も学生本人のみが参加できる。学内での同時中継は行わず、保護者などにはライブ配信の視聴を呼び掛ける。参加者には検温の実施、飲食を伴う謝恩会、懇親会、イベントなどについては、個人的なものも含め控えるよう強く要請している。感染状況が急激に悪化しない限り、緊急事態宣言が延長になったとしても実施する。
今年卒業する早大理工学術院4年の学生は「卒業式を開催していただけることにまず大学に感謝したい。いよいよ卒業なのだということが実感できるので式典があることは非常にうれしい。感染対策をしっかり行った上で参加したいと思う」と話す。