早稲田大学早稲田キャンパス内の大隈ガーデンハウス(新宿区早稲田鶴巻町)で11月11日、激辛エスニックカレー専門店「早稲田メーヤウ」(新宿区西早稲田2)の「チキンカリー」の提供が始まった。
大隈ガーデンハウスで提供する早稲田メーヤウの「チキンカリー」
「早稲田メーヤウ」は、2017(平成29)年に閉店した「メーヤウ」早稲田店の味を求めるファンらによる復活プロジェクトにより2020年7月4日にオープンにした。新型コロナウイルス感染症の影響で、開店から8カ月間はテークアウトとデリバリーのみで営業し、今年3月から店内飲食を行っている。
同店運営者の高師雅一さんは「メーヤウの『カリー』には、(早大生の間で)先輩が後輩に『おごる』という文化があった。おごられた後輩は、『激辛カリー』の洗礼を受けメーヤウのファンになる。その学生がまた後輩に『おごる』。私もそういう輪の中の一人だった。この文化の継承もメーヤウの復活の目的の一つ。ただ閉店していた間にメーヤウの味を知る学生は卒業してしまい、現役の学生はメーヤウの味を知らない。このままでは、この文化は途絶えてしまうと危惧している」と話す。併せて、西早稲田の店舗は大学から少し距離があること、1皿1,000円のカレーは学生には負担が大きいことなどに課題を感じていたという。
そこで高師さんは、メーヤウの味を知ってもらうためにと、クラウドファンディングで資金を集め商品化したレトルトの「チキンカリー」の大学内での販売を大学側に持ち掛けた。これをきっかけに早稲田大学生活協同組合から大隈ガーデンハウスのメニューの一つとして提供しないかとの提案があり、2022年2月までの期間限定で「チキンカリー」(組合員=600円、非組合員=660円)の提供が実現した。
大隈ガーデンハウスの担当者、小川陽一さんは「早大にもゆかりがあり集客力がある店とのコラボレーションで学食の魅力を高めたいと考えた」と話す。
11日の提供開始日には「メーヤウ」早稲田店の店長を務めメーヤウの味を作り上げた高橋忍さん、高師さん、永松謙さんらが出向いてカレーを提供した。
店頭に立ち接客を行った高橋さんは「店の復活のきっかけになった3年前のキッチンカーでのイベントで一番乗りだったお客さまが、今日も一番乗りで来てくれた。ほかにも昔の店の常連さんや学内の人たちも懐かしがって来てくれている」と言う。
一方で、カレーを買い求める現役学生の多くは「食べたことがなかった」「知らなかった」と話していた。
高師さんは「学食で提供するカレーから、じわじわファンが増えていけばうれしい。今後『ポークカリー』の提供も始める予定。足を運んでメーヤウのカレーの味を知ってほしい」と呼び掛ける。
営業時間は11時30分~13時30分(新型コロナウイルス感染症拡大の影響で短縮営業中)。