「アニマルウエルフェアをテクノロジーで支える」をビジョンに掲げるOne by One Music(新宿区高田馬場1)が11月1日、犬用リラックス音楽を提供するサービス「One by One Music」を始めた。
早大大学院生の畠山祥さんらを中心にチームとして、同サービスの事業化を目指してきた。「令和3年度U35新宿ビジネスプランコンテスト」では最優秀賞を受賞。今年6月に法人化して準備を進め、サービス公開は犬の日に合わせた。
留守中の犬のストレスを軽減する音楽を提供する。飼い主の長時間の留守などがストレスになり、嘔吐(おうと)や自傷行為、長時間鳴くなどの症状を引き起こす「分離不安症」の改善を目指す。
畠山さんは「動物と人間は常に共生して生きてきた。特に犬は家族のような存在であり、人間が音楽を聴いてテンションを上げたりリラックスしたりするように、動物が音楽を聴くことは新たな可能性を開くと考えている」と話す。
音楽制作には生成AIを活用したほか、アニマルウエルフェアについて研究する麻布大学獣医学部の植竹勝治教授の監修の下、実験を行ってきた。実験では音楽を聴く前と後の犬の唾液のストレスホルモンの値を解析し、どのような音楽が犬に対してリラックス効果があるのかを検証。人にとっても聴きやすい音楽にこだわった。
畠山さんは「犬はこれまでストレスがかかっていたとしても自分で話せなかった。まずはリラックスという形で犬に音楽を届けることで、充実した生活を送ってほしい。将来的には全動物のアニマルウエルフェア向上を目指し、他の動物へも展開していければ」と意気込む。
音楽の配信は同社ウェブサイトで行う。月額980円、動物愛護施設や引き取り手は無償。収益の一部は保護活動に活用する。