下着などの製造小売業を手掛けるGAIKEN(新宿区高田馬場1)が、全国各地の特産品をパッケージして届けるギフトサービス「Special Local Gift」を3月1日に発表して1カ月が経過した。
GAIKENが手掛ける燕三条の「Special Local Gift」の内容
起業する前に都市銀行で勤務していたGAIKEN社長の浜井啓介さんは、300人以上のものづくりをする中小企業の経営者と仕事で出会う中で、国内工場の減少や質の高い商品にもかかわらず、自らの製品の魅力を伝えられず悩んでいる現状を知り、その状況を改善したいと考えるようになった。
母子家庭で育ったこともあり、祖母にかわいがってもらっていた浜井さん。銀行員として就職した後、初めて経験した転勤で祖母と離れて生活するようになり、旅行好きの祖母にその地域の特産品を送ったところ、とても喜ばれた経験が新サービスのアイデアにつながった。「大切な方を笑顔にする贈り物としても利用いただければ」と話す。
「Special Local Gift」の第1弾は地方銀行と連携し、新潟県燕三条エリアの特産品を届ける。特定の商品ではなく、地域の特産品を詰め合わせることで新しいギフトとして再定義する。特産品を製造する一人一人と会っており、作り手の直筆メッセージを同封することで、単なる物の販売ではなく地域の魅力や人の思いも届ける。工場と直接取引をすることで、「お買い得感も感じられる価格にしている」という。
現在、朝日新聞が運営する「A-port」でクラウドファンディングを実施中で、4月9日現在目標金額の487%を達成している。リターンは燕三条の特産品5品詰め合わせ、手作りの旅のしおりなどを届ける「Special Local Gift」(5,000円)、それに加え次回以降に訪問予定の地域の特産品も届ける「Special Local Gift+次回以降1回分」(1万円)、「Special Local Gift+次回以降5回分」(3万円)などを用意する。
浜井さんは「銀行員時代に法人営業をする中で、製造業の中小企業の倒産も目の辺りにした。日本のものづくりが消えてしまうのではないかという危機感を持ち、何か自分にできないかと思って起業した。今回の『Special Local Gift』はこれまでの事業経験を基に考えた新しいサービス。より多くの人に笑顔になってもらうきっかけになれば」と話す。
クラウドファンディングは4月15日まで。