早稲田の喫茶文化をテーマに早大「文化推進学生アドバイザー」企画のイベント「ワセ喫茶のこれから~人はなぜ喫茶店に居場所を求めるのか~」が10月20日、大隈記念講堂(新宿区戸塚町1)小講堂で開かれた。
イベントの様子1 森野りんさん、谷川隆次さん、宇田川正明さん(左から)
早大の多種多様な文化・芸術を発信する目的で、早大文化推進部が毎秋行う「早稲田文化芸術週間」の一環。2部構成で、第1部は、大隈通り商店会に早稲田店を構える「こはぜ珈琲(コーヒー)」の下北沢店の移転を機に同店を舞台に制作された映画「結局珈琲」を上映した。第2部は、企画を立案した2年の森野りんさんと早大周辺の喫茶店「こはぜ珈琲」の谷川隆次さん、「早苗」の宇田川正明さんが登壇し、「Cafe GOTO」の後藤進さん、「喫茶ぷらんたん」の藤田広喜さんの事前取材によるビデオメッセージも挟むトークイベントを行った。
森野さんは「もともと映像メディアに興味があり、『結局珈琲』をきっかけに早稲田の喫茶店をもっと知りたいという気持ちが湧いた」と話す。
いろいろな喫茶店に足を運び店長と話す中で「居場所というキーワードが立ち上がった」と振り返る森野さん。トークイベントで谷川さんは「学校や職場、家庭で担う役を下ろして素でいられる空間で、1人で漫画を読んだりコーヒーを飲んだりして『取りあえずリセットできる場』作りを大切にしている。 毎日同じ時間に見かける常連同士のように、会話をしなくても存在を気にかけ合う『温かい薄いつながり』があり、『帰ってきた』と思えるリビングの延長のような居場所を目指している」と話した。
早稲田で生まれ育ち、早大に通い、早稲田で母親のジャン荘を喫茶店に業態転換して運営する宇田川さんは、早稲田文化と喫茶店について「1980年代前半まで、早大OBが開いた『茶房 早稲田文庫』という喫茶店があった。井伏鱒二さんや五木寛之さんなど早稲田出身の作家が通っていた。早苗にも短歌、小説、映像、演劇などさまざまなアートに関わる人たちが出入りする。喫茶店は、早稲田の文化が生まれ発信源の一つになる場所」と話した。
「4人の店長の生の話を聞いて皆さんと共有でき、喫茶店文化と早稲田の街とつながれた貴重な機会になった」と森野さん。「今日までにいろいろな人たちとつながりができて、早稲田の街の一員になれたような気がする。これからも早稲田の街の文化を発信するというアドバイザーの使命を果たしつつ、新しい挑戦をしていきたい」と意気込む。