早稲田大学(新宿区戸塚町1、以下、早大)が4月30日、Zoomなどの背景用に「早稲田のシンボル」である「大隈記念講堂」などの画像の無料提供を始めた。
早稲田大学が配布している「大隈記念講堂」の内部(ステージから見た様子)
企画を担当した文化推進部は「早稲田文化」の発信の中心的な役割を担う組織として、2007(平成19)年に発足。文化資産の公開・活用のほか、顕彰事業、学生や地域と連携したイベントなどにも取り組んでいる。
早大では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、2020年度春学期の授業開始日を5月11日に繰り下げ、原則として授業はオンラインで行うことにしている。キャンパスへの立ち入りを5月20日まで禁止するほか、学生には課外活動などの自粛を8月1日まで要請している。
そうした状況を受け、「学生はキャンパスに通いたくても通えない。そんな気持ちに少しでも応えるため、コミュニケーションツールとして多く利用されているZoomなどの背景画像に早稲田大学構内の写真を提供しては」(早大文化推進部)という思いから企画を発案。「早稲田大学のことを案じてくださっているOB・OGや関係者の皆さまにもぜひ、利用してほしい」と呼び掛ける。
今回の企画は、文化推進部が取り組む「『ステイホーム』応援企画」の一環で、他にも大隈記念講堂を360度体感できるコンテンツや、早稲田大学にあるミュージアムの魅力を届けるイベント「Museum Week」の中で行われたパフォーマンスサークルが登場する「Museum LIVE」の映像を配信している。
今回の画像提供は、大隈記念講堂=14枚、小野記念講堂=1枚だったが、今後は「早稲田大学歴史館」や「早稲田スポーツミュージアム」、中止になった「Museum Week」の画像提供の準備を進めているという。
早大文化推進部の小川薫さんは「残念ながら、一定規模以上の参加者が集うイベントはしばらく開けない。そんな今だからこそ、早稲田大学の瑞々しい文化の力で早稲田に係わる皆さまの潤滑油になるような活動が出来れば」と話す。
「早稲田の宝である学生たちとコンタクトを取りながら、オンラインで楽しんでいただける動画コンテンツを鋭意制作している。文化推進部の活動の特徴として、学生、校友、大学生協、商店会などの近隣の皆さまと協働でイベント等に取り組んできたことが挙げられる。そうした『早稲田文化ファミリー』の現在の取り組みについても、SNS等で随時、紹介しながら、共に奮起していければ」と意気込む。