高田馬場にある「クラーク記念国際高等学校 東京キャンパス」(新宿区高田馬場1)が、新型コロナウイルス感染症拡大防止のためオンライン授業で生徒が自宅で制作した動画を公開している。
クラーク記念国際高等学校3年生 西久保星奈(せいな)さんの作品
「クラーク記念国際高等学校」は全国50以上に拠点を構える通信制高校。約1万人の生徒が、通学型や通信型などさまざまなスタイルで学んでいる。東京キャンパスでは、インターナショナルコースや美術デザインコース、保育・福祉コースなど約10種類のコースが設置されている。
今回、公開したのは東京キャンパスの「パフォーマンスコース」に在籍する生徒の作品。同コースは演劇や歌唱などを学ぶ通学型のプログラムだが、新型コロナウイルス感染拡大よる影響で、現在授業はオンラインのみ。
「新入生歓迎動画」では、東京キャンパスオリジナルソング「Ambitious」を生徒がそれぞれ自宅で歌唱動画を撮影し、教員が動画を重ねて一つの合唱動画に編集し、今春入学した新入生にネット経由でプレゼントした。
動画編集を担当した、同校のパフォーマンスコース担当の後藤りみ教諭は「SNSなどで話題になった新日本フィルハーモニー交響楽団の『パプリカ』のリモートオーケストラがきっかけ。広報も担当しているが動画編集は初心者レベルで試行錯誤しながら行った。60人の生徒から送られてくる作品は、壁紙やコスチューム、振り付けなどそれぞれに工夫があり、これまで教室で感じていた以上に個性豊かな作品だった」と振り返る。
「STAY HOME RAP」は、外出自粛が続く中で「コロナ禍で感じることをラップで表現」するというゴールデンウイーク中の課題。各生徒が自宅で作詞作曲から動画編集まで行った。このうち、3年生の西久保星奈(せいな)さん、加藤悠(はるか)さん、2年生の成田晏観(あんみ)さんの作品を、本人と保護者の許諾をえた上で優秀作品として公式ユーチューブチャンネルやインスタグラムで公開している。
同授業を担当する秋山耕太郎教諭は「私自身がラップをやっていたこともあるが、ラップという題材はオンライン授業で取り組みやすいのではないかと考えた。作品作りは生徒が自宅で、作詞、作曲、振り付け、動画編集まで全てを行った。楽しんで前のめりに作品を作ること、動画編集を教え合い、また良い意味で競い合うことで成長していく生徒と、そうでない生徒の間に差が生まれやすいという課題も見えてきた」と話す。
「ラップには『切実さ』 や『強く訴えたいこと』が必要。今はコロナ禍で、オンライン授業では元気な姿を見せる生徒たちも、やはり悶々(もんもん)としている。その思いがエネルギーとなり、それがうねりを上げるようにして思いもつかない歌詞や表現で作品が作られている。ぜひ彼らの作品を見てほしい」と、秋山さんは呼び掛ける。